Sierra が「Ghostwriter」を発表——専門家不要でカスタマーサポート AI を導入できるツール

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AI スタートアップの Sierra は、2026 年 3 月 25 日に新ツール「Ghostwriter」を発表しました。一言で表すと、「AIを使ってAIを作るツール」です。担当者がシステムに話しかけるだけで、チャットや電話対応、 30 以上の言語に対応したカスタマーサポート向けの AI が完成します。専門のエンジニアは必要ありません。

仕組みはシンプルで、業務マニュアルやコールセンターの通話録音、手書きのメモ写真といった社内資料を読み込ませると、Ghostwriter が自動で分析し、実際の業務に使えるレベルの AI を組み上げます。リリース前にテスト環境で動作確認もでき、担当者が内容を確認してから本番に反映できるため、品質管理の面でも安心感があります。

合わせて提供される「Explorer」という機能も注目に値します。自社のカスタマーサポートの会話履歴を分析し、よくある問い合わせの傾向や改善が必要な箇所を自動で洗い出します。つまり、 AI が運用データをもとに継続的に自分自身を改善していく仕組みです。

導入企業の実績を見ると、その効果は明確です。Rocket Mortgage では住宅ローンの借り換え手続きにかかる時間が、従来の数時間から約 30 分に短縮されました。経費管理ツールを手がける Ramp では、サポート対応の 90% を人手を介さずに処理しています。大手百貨店の Nordstrom では、わずか 4 週間でシステムが稼働し始めました。

Sierra は 2023 年に設立された企業で、元 Salesforce 共同 CEO の Bret Taylor と元 Google 幹部の Clay Bavor が創業しました。これまでの調達総額は 6 億 3,500 万ドル(約 952 億円)で、企業価値は 100 億ドル(約 1 兆 5,000 億円)に達しています。 2025 年の年間経常収益は約 1 億ドル(約 150 億円)で、Fortune 50 企業の 40% と取引実績があります。

競合には Salesforce の Agentforce や OpenAI のプラットフォームがありますが、Sierra の強みは「AI 専門チームを持たない企業でも、顧客対応 AI をすぐに導入できる」という点に絞り込んでいるところです。料金は成果報酬型で、AI が問題を解決した分だけ費用が発生する仕組みになっています。