Amazonが次世代AIアシスタント「Alexa+」を発表、自然な会話と自律的タスク実行に注目

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Amazon は 2025 年 2 月 26 日、AI の進化を取り入れた次世代デジタルアシスタント「 Alexa+ 」を発表しました。この新サービスは、生成 AI 技術を活用して完全に再構築されており、より自然な会話能力と深いパーソナライゼーション、そして日常タスクを自律的に実行する「エージェント能力」を特徴としています。

従来の Alexa は、2014 年の導入以来、多くの家庭で利用されてきましたが、ChatGPT や Google の Gemini など生成 AI 搭載の競合アシスタントが台頭する中で機能性や対話能力で後れを取っていました。Alexa+ はこの状況を打破するための「新生 Alexa 」として位置づけられています。

Alexa+ の主な特徴は、大規模言語モデル( LLM )を活用した自然な対話能力です。従来の決まったフレーズを繰り返す形式から脱却し、文脈理解に基づく流れるような会話が可能になりました。例えば「何かいい音楽をかけて」というシンプルな指示からユーザーの好みに合った楽曲を選んで再生するなど、より人間らしいインタラクションを実現しています。

また、パーソナライゼーションも大幅に強化されました。Alexa+ はユーザーとの対話を通じて学習し、食事の嗜好やアレルギー情報、スケジュール、過去の注文履歴などを記憶。「夕食の予約をして」と頼むだけで、好みのレストランを提案し、OpenTable などを通じて自動で予約を完了させることができます。

最も注目される機能は「エージェント能力」で、ユーザーの指示を待たずにインターネット上でタスクを自ら実行できる点です。例えば「オーブンを修理してくれる人を探して」と頼めば、適切な業者を見つけ、連絡先を提示するところまで対応します。Uber や Grubhub、Ticketmaster といったサードパーティサービスとも連携し、配車手配やチケット購入もシームレスに行えるようになっています。

利用料金は Amazon Prime 会員は無料、非会員は月額 19.99 ドル(約 20 ドル)のサブスクリプションが必要です。対応デバイスは初期段階では Echo Show 8、10、15、21 といった画面付きモデルが優先され、今後数か月かけて他の Echo デバイスにも段階的に展開される予定です。

Alexa+ はスマートホーム市場での競争を一層激化させる画期的な製品といえますが、初期テストでは応答の遅延や不正確な回答といった課題も報告されています。米国では 2025 年 3 月から早期アクセスが始まり、その後徐々に拡大する予定ですが、日本でのサービス開始時期は現時点では未定となっています。