【Editor’s Insight】2024年年末に使うべき有料AIサービス(AIチャット編)

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2024年年末、今使うべき有料AIチャットボットは?

2024年も残すところわずかとなり、各社が続々と新製品や新機能をリリースしています。そこで今回は、年末のこのタイミングで「今、使うべき有料AIチャットボット」について整理します。主な比較対象は、すでに多くのユーザーが利用しているChatGPT、自然な文章生成で知られるClaude、そして2024年後半に大幅アップデートを行ったGoogle Gemini。さらに番外編として、オープンソース由来の無料ツールであるLlamaMistralシリーズにも触れてみます。


総合力でおすすめなのはChatGPT Plus(月額20ドル)

結論から言えば、現時点で有料AIチャットボットを選ぶなら、ChatGPTのPlusプラン(月額20ドル=約3千円)を強くおすすめします。
その理由は以下の通りです。

  1. 調べ物から文章生成まで一通り対応
    ChatGPTは、「ChatGPT Search」機能のリリースで検索機能が格段に向上しました。最新ニュースや幅広いトピックの調査が可能で、ビジネス文書やプログラミングまで「とりあえず聞いてみる」だけで必要に応じて検索をしながら回答を生成してくれるため、ワンストップで多くの作業を完結できます。
  2. 多彩なモデル選択が可能
    新たにo1やo1 miniなど、より深い思考や高度な推論が求められるタスクに特化したモデルも利用できるようになりました。使用制限はありますが、Plusユーザーなら4oやo1シリーズを使い分けることで、自分の用途に合わせた出力を得られます。
  3. 画像・動画生成までカバー
    ChatGPTはテキストベースのチャットボットでありながら、画像生成や、生成数に限定はあるものの動画生成(Sora)にも対応しています。これにより、たとえばアイデア出しから画像素材の作成まで、ワンストップで進行可能です。

今回、「12 days of OpenAI」という新製品発表イベントで、より上位プランである月額200ドルのProユーザーが追加されました。Proユーザーになると、最上位モデルのo1 Proが使えます。o1 Proはプログラミングタスクなどでは、o1モデルよりも優れていると評判ですが、それ以外の通常業務ではそこまでの違いはないようです。ですので、プロのシステム開発者はProユーザーを検討してもいいと思いますが、一般ユーザーであればPlusで十分と言えるでしょう。


Claudeの魅力と限界

かつて日本語の自然な文章生成で抜群の安定感を示したClaudeは、現在もその強みを維持しています。特に世代が一つ前のClaude3.0 Opusは、日本語テキストの自然さではいまだに他をリードしていると感じています。もちろん、最新のClaude3.5 Sonnetも性能向上が謳われていて、他のモデルと比べても遜色のないベンチマーク数値となっていますが、現状の問題は「インターネットへ接続されていない」こと。これが日常的に使用するには大きなボトルネックとなっています。

  • 強み: 日本語での文章生成が非常に自然
  • 弱み: 最新情報には対応できず、調べ物用途では別のサービスに移行する必要がある

もちろん、調べ物は別でやって、作業はClaudeで、といった使い分けをすればいいのですが、ChatGPTのように一つのインターフェイスで全てが完結してしまうサービスが登場すると、ついそちらの方が便利なため、Claudeの使用頻度が下がってしまいます。純粋なライティングやアイデア出し、コーディング補助など用途を限定すれば依然有用ですが、オールラウンダーとしてChatGPTに劣る状況です。


Google Gemini 2.0に期待したいが、現状は惜しい

今回、Google Gemini 2.0発表されました。2.0は、1.5と比べて大幅な性能向上を遂げ、プログラミングタスクへの対応力も強化されたと報じられています。さらに、今年前半に話題となったProject Astraを統合し、将来的にはGoogle Glass的なウェアラブルデバイスと連携し、「日常をサポートするエージェント」へと進化をする道筋が具体的になってきました。簡単に利用できるようになるまではもう一歩、というところで、来年の前半にはある程度形になってくると思います。

また、Gmailやスプレッドシート、DocsといったGoogle Workspace関連ツールともGeminiは統合されており、ビジネス向けAIアシスタントとしての発展も(まだ完璧ではないものの)少しずつ実現してきています。検索AIの「AI Overview」機能もGemini 2.0搭載で一層の精度改善が見込まれ、Googleが培ってきたエコシステムを活用できる点がGeminiの強みと言えます。

しかし、特に日本語での使用ということを考えると、回答の自然さが現状ChatGPTやClaudeより半歩遅れている印象です。また、初期の「とんでもない回答」への反省でガードレールが過剰になり、たとえば政治と無関係なトピックにもTrumpという言葉が入っているだけで回答拒否するなど、使い勝手の面でまだ改善の余地が大いにあります。

本来は、Googleの総合力を活かして先頭を走っていていいはずなのですが、いまいちパッとしない印象がGeminiです。Gemini 2.0でこの問題がどこまで解消されるか、今後の進化に注目したいところです。


無料選択肢としてのLlamaやMistral

最後に有料ツールではありませんが、無料ツールとして存在感を増す、オープンソース系LLMであるLlamaMistralに触れておきます。

  • Llamaシリーズ(Meta):
    Meta.ai経由で英語環境下では非常に高品質な回答を返しており、ChatGPTの4oやGeminiと比較しても遜色ありません。ただし、日本からのアクセスは制限され、日本語性能もまだまだ低め。将来的な日本対応に期待がかかります。
  • Mistralシリーズ
    MistralのLe Chatは登録することで無料利用が可能で、ウェブ検索にも対応しています。ただし、日本語入力時のインターフェース挙動が不自然な点が惜しいところです。精度・自然さでは有料モデルに近い精度がありますし、無料でネット検索までできる点は大きな利点。無料にこだわるのであれば、ChatGPTやClaude、Geminiの無料版と併せてMistralも試してみる価値はあります。

まとめ:現状はChatGPT Plusがベストチョイス

2024年年末時点で、総合的な使い勝手・性能・対応範囲を考えると、ChatGPTのPlusユーザー(月額20ドル)を利用するのが最もバランスのとれた選択といえます。Claudeは自然な文章生成力を武器に依然魅力的な部分はあるものの、最新情報への対応不足が足を引っ張ります。Google Geminiはビジネス連携や多機能アシスタントとしての将来性があり、今後の改善次第ではChatGPTを脅かす存在になり得るでしょう。

無料ツールとしてのLlamaやMistralも、英語圏や特定条件下での利用には非常に有望で、将来性は十分です。とはいえ、現時点で「さぁ、今すぐ仕事や調べ物、コンテンツ制作などにガンガン使いたい!」というニーズでは、ChatGPT Plusが一歩リードしていると思います。