投稿者: OpenAIの共同創設者であるIlya Sutskever氏が新たに立ち上げたAI安全性に特化したスタートアップ、Safe Superintelligence (SSI)が、シードラウンドで10億ドル(約1430億円)の資金調達に成功しました。SSIは設立からわずか3ヶ月でこの資金を調達し、Andreessen Horowitz、Sequoia Capital、DST Global、SV Angelなどの有名ベンチャーキャピタルが主な投資家として名を連ねています。この資金調達によりSSIの企業価値は約50億ドル(約7170億円)と評価されています。
SSIは「安全な超知能」の開発に特化し、短期的な商業的圧力から切り離された形で研究開発を進めることを目標としています。Sutskever氏は既存のアプローチとは異なる方法でAIのスケーリングに取り組むと述べていますが、具体的な詳細は明かしていません。同氏はOpenAIの主任科学者を務めていましたが、AIの安全性に関する点でSam Altman氏と対立し、2024年5月に退社しSSIを設立しました。
現在SSIの従業員数はわずか10人程度で、本社はカリフォルニア州パロアルトとイスラエルのテルアビブに置かれています。製品や実績がないシード段階でこれほどの巨額の資金を調達できたことは、創業者の名声だけでなく、AIの安全性への関心の高まりを反映していると言えます。一方で、投資熱が加熱しすぎているのではないかと懸念する声もあります。SSIがどのような成果を上げ、安全なAI開発にどのように貢献していくのか、今後の動向が注目されます。