音声合成AIで有名なElevenLabsが、テキストから音楽を生成する新しいサービス「ElevenLabs Music」の初期プレビューを公開しました。このツールは、たった1つのテキストプロンプトから、本物のボーカルが入った最大3分間のフルレングスの楽曲を作成できるという画期的な機能を備えています。
公開されたサンプル曲を聴くと、ジャズ、ポップ、ダブステップ、カントリーなど、様々なジャンルの音楽が生成可能であることがわかります。驚くべきは、追加の編集や調整なしで、1つのプロンプトから3分間のフル楽曲を作り出せる点です。これは、先行してサービスを展開しているUdioやSunoといった競合サービスにはない特徴です。
歌詞は音楽のスタイルとは別に生成されるようで、他のプラットフォームでは制限されるような不適切な言葉を含む楽曲も作成できるそうです。現在はまだ開発中で、ElevenLabsの従業員のみがアクセス可能とのこと。
AI音楽生成は、著作権の問題やアーティストの収入への影響など、議論の多いテーマではありますが、一方で新しい創造的表現の機会を提供するサービスとして注目されています。ElevenLabsは、ユーザーがAIで生成された音声を販売できる「Voice Library」マーケットプレイスを運営するなど、クリエイターの権利保護にも積極的に取り組んでいます。
ElevenLabs Musicは、音楽制作の「民主化」を推し進め、創造的表現のための新しい道を切り開く可能性を秘めたツールになるかもしれません。プレビューからローンチへと移行する中で、音楽家、音楽業界、ファン、そして社会全体がどのように反応するのか注目が集まっています。