投稿者: 米国防高等研究計画局（DARPA）は、AI操縦機が人間のパイロットが操縦するジェット機との模擬空中戦に成功したと発表しました。これは、DARPAの航空戦闘進化（ACE）プログラムの一環であり、安全プロトコルに従いながら戦闘機を自律的に飛行させるAIシステムの開発を目的としています。
DARPAのACEプログラムは4年にわたって続けられており、特に複雑なドッグファイト機動のスキル開発に重点が置かれてきました。2022年12月にシミュレーションが開始され、シミュレーション上ではAIパイロットは人間のパイロットに対して完全勝利を収めるまでに至りました。
2023年9月、エドワーズ空軍基地において、AIを搭載したX-62A機と人間のパイロットが操縦するF-16との間で実機による模擬空中戦が行われました。これは、AI操縦機が関与する実世界での空中戦闘テストとしては初の試みです。X-62Aには安全のため人間のパイロットも同乗していましたが、操縦を代わる必要はなかったとのことです。DARPAは模擬空中戦の勝者を公表していませんが、AIが複雑な空中戦闘機動を実行できることを実証しました。
DARPAは、今回の教訓をより広範な自律システムに応用することを目指しています。今回の成功により、今後AIが操縦するドローンが「僚機」として有人戦闘機と連携して運用される可能性を示しています。技術のさらなる改良と様々なシナリオのテストを目的として、今後追加のVISTA対F-16の対戦が計画されています。