中国の AI 企業 Zhipu AI ( Z.ai としても知られる)は、2025 年 9 月 30 日に新しいオープンソースの大規模言語モデル「 GLM-4.6 」をリリースしました。このモデルは、長文脈処理、コーディング、推論、エージェント型 AI ワークフローに強みを持ち、グローバル市場での競争力を示しています。
GLM-4.6 の最大の特徴は、入力コンテキストウィンドウが最大 20 万トークン、最大出力が 12.8 万トークンという長文処理能力です。コーディングや実タスクで使用するトークン数は、前世代の GLM-4.5 と比較して約 15 ~ 30 %削減され、効率化が図られています。
ベンチマークテストでは注目すべき結果が出ています。Anthropic の Claude Sonnet 4 との比較では 48.6 %の勝率を示し、ほぼ同等の性能を達成しています。DeepSeek-V3.2 との比較でも高い評価を受けており、特に実用的なコーディングやエージェント型 AI ワークフローにおいて、トークン効率の良さが際立っています。
このモデルは MIT ライセンス下でオープンソースとして公開されており、Hugging Face にも掲載されています。開発者や研究者は自由にダウンロードして微調整することが可能です。また、Z.ai と OpenRouter 経由で API 利用も提供されており、料金は入力トークンあたり約 0.60 ドル(約 89 円)、出力トークンあたり約 2.20 ドル(約 325 円)となっています。
中国発の AI モデルとしては最先端レベルに達しており、グローバル市場における主要な LLM と肩を並べる性能を持つことが確認されました。特に長文解析、コーディング支援、エージェント型 AI の実タスク処理に注力しており、開発者にとって魅力的な選択肢となりそうです。
オープンソース界隈での存在感を強める中国の AI 企業の動向は、今後も注目されていくでしょう。