Zendesk は 2025 年 10 月 8 日、自社主催の AI サミットで新しい AI エージェント製品群を発表しました。同社は「顧客からの問い合わせの 80% を人手を介さずに自動解決できる」としています。
発表の中核となるのは「自律型サポートエージェント」です。多くの問い合わせや問題を人間の担当者に頼らず自力で解決することを目指しており、従来の FAQ 型チャットボットを超えた自己判断・処理能力を持つ点が特徴です。残り約 20% のより複雑なケースについては、人間担当者を支援する「コーパイロットエージェント」が対応します。
このほか、音声対応を行う「ボイスエージェント」、管理業務を自動化する「管理レイヤーエージェント」、そして 2024 年 7 月に買収した Hyperarc の技術をベースとした「アナリティクスエージェント」も同時に公開されました。
Zendesk によると、新システムを導入した企業では消費者満足度が 5 ~ 10 ポイント向上したとのことです。この技術には、2024 年から 2025 年にかけて買収した AI 関連企業( Hyperarc 、 Klaus 、 Ultimate )の技術も活用されています。
Zendesk の Resolution Platform は、2025 年時点で約 20,000 社、年間 46 億件の問い合わせを処理しています。米国だけでも顧客サービス業界には約 240 万人が従事していることを考えると、今回の AI 導入は業界全体の雇用や業務フローに大きな影響を与える可能性があります。 AI が人間の現場作業を置き換える時代が、いよいよ現実味を帯びてきたと言えるでしょう。