イーロン・マスク氏の xAI が Telegram と大型提携、 Grok を 10 億人のユーザーに提供

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イーロン・マスク氏の AI 企業 xAI が、メッセージングアプリ Telegram との間で、 AI チャットボット「 Grok 」を Telegram の 10 億人以上のユーザーに提供するための 1 年間の提携に合意したと報じられています。この提携は 2025 年夏に開始される予定です。

提携内容と財務面での詳細

この提携により、 xAI は Telegram に対し現金および株式で 3 億ドル(約 450 億円)を支払います。さらに、 Telegram はプラットフォーム経由で販売された xAI のサブスクリプション収益の 50% を受け取ることになります。 Telegram の CEO である パーヴェル・ドゥーロフ氏によれば、この提携は Telegram の財務状況を強化するものとされています。

Grok の統合と新機能

Grok は Telegram の全アプリに統合され、ユーザーはチャット一覧の最上部に Grok をピン留めしたり、検索バーから直接 Grok に質問したりできるようになる見込みです。ドゥーロフ氏が公開した動画によると、 Grok は文章作成支援、チャットやリンク、ドキュメントの要約、ステッカー作成といった機能を提供するほか、ビジネス関連の質問への回答やモデレーション支援も行うとされています。

提携の戦略的意義

xAI にとって、この提携は 10 億人を超える Telegram のユーザーベースへのアクセスを意味し、 AI システムの訓練と改良に不可欠なデータへのアクセス機会となる可能性があります。 AI 企業は高品質な訓練データ確保に苦慮しており、今回の提携ではデータの提供も一つのメリットとなりそうです。

一方、 Telegram にとっては、ユーザー体験の向上と新たな収益源の確保が期待されます。なお、 xAI は 2025 年 3 月に既に Telegram のプレミアムユーザー向けに Grok の提供を開始していました。今回の提携が正式に実現すれば、 Telegram の全ユーザーが Grok を利用可能になることになります。

ただし、 TelegramのドゥーロフCEOが提携を発表した後、イーロン・マスク氏は「まだ契約は締結されていない」と X (旧 Twitter )で反応しており、正式な契約手続きはこれからとなっています。