資金調達のニュースが続きます。イーロン・マスク氏率いるAIスタートアップxAIが、シリーズBの資金調達ラウンドを正式に発表し、60億ドル(約9400億円)の資金調達を完了させました。この記録的な規模の資金調達により、xAIの企業価値は240億ドル(約3.8兆円)に達し、OpenAIやその他の競合他社とのAI競争に拍車がかかることが予想されます。
xAIは、この資金を「初の製品の市場投入、高度なインフラの構築、研究開発の加速」に使用すると述べています。また、エンジニアリングと研究部門で積極的に採用を行っており、他社よりも高い報酬を提示しているとのことです。
今回の資金調達には、Valor Equity Partners、Vy Capital、Andreessen Horowitz、Sequoia Capital、Fidelity、Prince Alwaleed Bin Talal、Kingdom Holdingなどの著名な投資家が参加しています。特に、VCよりも慎重な投資姿勢で知られるFidelityの参加が注目を集めています。
マスク氏は、xAIの設立以前からAI分野で活躍しており、Teslaの自動運転技術やOpenAIの共同設立者としての経験を持っています。昨年7月にxAIを設立し、わずか1年でこの大規模な資金調達を実現させました。
xAIは、2023年11月にChatGPTの競合となるGrok 1.0モデルをリリースし、2024年4月にはGrok 1.5モデルを公開しました。XのプレミアムユーザーにはGrokへのアクセスも提供されています。
昨日の報道によると、xAIは2025年秋までに独自のAIスーパーコンピュータを構築する計画で、そのためにはNvidiaのH100チップを10万個必要とするとのことです。今回の資金調達により、xAIはAIモデルのトレーニングに必要なコンピューティングパワーを確保し、スケールアップを続けることができるでしょう。
マスク氏は最近、AGI(汎用人工知能)が来年に登場すると予測しました。莫大な資金を手に入れたxAIは、その実現に向けて大きく前進することが期待されます。今回の発表で最も恩恵を受けるのは、xAIにチップを提供するNvidiaだと言えるでしょう。
今回の資金調達により、xAIはAI市場での競争をさらに加速させることが予想されます。