イーロン・マスク率いるAI企業xAIが、世界最大規模のAIトレーニングシステム「Colossus」の稼働を開始しました。Colossusは、テネシー州メンフィスの施設に、わずか122日間で構築され、現在10万個のNVIDIA H100 GPUを搭載しています。今後数か月以内には、GPU数を20万個(うち5万個はH200)にまで拡張する予定です。
このシステムは、xAIのAIモデル「Grok」のトレーニングに活用されます。xAIは今年だけでNVIDIA製のハードウェアに30~40億ドルを投資する見込みで、この膨大な計算能力により、Grokの性能は飛躍的に向上する可能性があります。
xAIの現行の最新モデルであるGrok-2は、約1万5000個のNVIDIA H100 GPUでトレーニングされ、すでにGPTやClaudeといった商用モデルに匹敵する能力を持つとされています。Colossusによってさらに桁違いの計算能力を投下してトレーニングされることで、近い将来、AI業界の勢力図が塗り替えられる可能性があります。
イーロン・マスク氏は、2024年12月までにGrok-3をリリースし、「その時点で世界最強のAI」にすることを目標としており、OpenAIやGoogleといった競合他社に追いつき、追い越すことを目指しているようです。Colossusの稼働開始は、AI開発競争の激化を象徴するとともに、マスク氏の野心的なAI戦略を明確に示す出来事と言えます。