スタンフォード大学のAIの第一人者で、現在のAI狂騒につながるディープラーニングが話題となった初期に活躍した「AIのゴッドマザー」と称されるFei-Fei Li氏率いるWorld Labsが、新しい3D AI技術を発表しました。このAIは、1枚の写真をもとに、自由に動き回ったり、編集したりできる3D空間を生成することができます。
生成した3D空間は、ウェブブラウザ上で操作することができます。キーボードとマウスを使って、空間の中を自由に移動したり、奥行きを調整したり、照明を変えたり、物の色を変えたりすることができます。World Labsのシステムは、同社が大規模言語モデル(LLM)になぞらえて「大規模ワールドモデル(LWMs)」と呼んでいる新しいAI技術を使用し、一度作られた空間は、現実の世界と同じように物理法則に則って動きます。そのため、生成された3D空間では、よりリアルな3D体験ができる点が特徴です。
現状のバージョンでは、移動できる範囲が限られていたり、表示にエラーが出たりするなど、改善すべき点もありますが、World Labsは2025年に最初の製品をリリースする予定になっています。今年の9月に多くの資金を集めていて、Andreessen Horowitz(a16z)やIntel Capitalなど有名な投資家も出資しています。それからわずか数ヶ月の成果としては素晴らしい進歩といえます。
この技術は、ゲームや映画、デザイン、設計など、様々な分野で、クリエイティブな作業を大きく変える可能性があると期待されています。ただ、現状のところを見ると、大騒ぎして大規模な資金調達をした割に、今後それに見合うプロダクトになるだろうか?というところが疑問です。筆者の独断の見方ですが、まだ今のところ「AIのゴッドマザーが満を持して起業した」という話題性が先行してしまっているように感じます。
今後の展開に期待したいです。