世界初、AI制御の自律型ロボットによる歯科治療に成功 – ボストンのPerceptive社

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米国ボストンに本社を置くPerceptive社が、AI制御の自律型ロボットを用いて、世界初の完全自動歯科治療を成功させました。患者の口腔内を3Dスキャンし、AIでデータを解析してロボットアームが治療を行うというものです。

最初に光干渉断層撮影(OCT)を用いたハンドヘルドスキャナーで、歯や歯茎、神経の詳細な3Dモデルを作成します。X線を使用せず光ビームを用いるため、放射線被曝のリスクがありません。この方法で取得した3DデータをAIアルゴリズムが解析し、虫歯の診断や治療計画を立てます。この時点の診断の精度は約90%に達しているとのことです。

ロボットアームは、例えば歯のクラウン準備を通常の2時間から約15分に短縮することに成功しています。また、このロボットは、患者が動いても安全に治療を行えるように設計されています。

最初の完全自動歯科治療は、南米コロンビアのバランキージャで実施され、「歯の切削」を行いました。ロボットアームが患者の歯を削る様子は映像で公開されています。

Perceptive社は現在、この技術のFDA(米食品医薬品局)承認を目指しており、承認までに約5年かかる見込みです。この技術が普及すれば、治療の効率性と精度が向上し、患者の体験が大幅に改善されることが期待されています。

同社は、シリコンバレーの著名な投資家から3000万ドル(約44億円)の資金を調達しており、MetaのCEOマーク・ザッカーバーグの父、エド・ザッカーバーグ氏も投資家の一人として名を連ねています。また、ハーバード歯科医学部やアメリカ歯科協会のForsyth研究所とも提携し、開発を進めています。