Waymo、評価額17兆円超で大型資金調達を計画ー自動運転市場での独走体制を固めるか

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Alphabet 傘下の自動運転技術企業 Waymo が、1100 億ドル(約 17.2 兆円)を超える企業評価額で 150 億ドル(約 2.4 兆円)以上の新規資金調達を検討していると報じられました。この大規模な資金調達は、激化する自動運転市場において Waymo の優位性を一層強固にする可能性があります。

今回の資金調達が実現した場合、Waymo の企業評価額は最大 1100 億ドルに達する見込みです。これは、2024年10月の前回ラウンドにおける評価額 450 億ドル(約 7.1 兆円)から倍以上の水準であり、自動運転モビリティの商業的な見通しに対する投資家の強い信頼を反映しています。Alphabet の CEO であるサンダー・ピチャイ氏も、Waymo が 2027年から 2028 年までに同社の業績に大きく貢献するようになる、との見方を示していると伝えられています。

Waymo が大規模な資金調達に踏み切る背景には、ロボタクシーサービスのさらなる拡大と技術開発の加速があります。同社は現在、米国市場において競合他社を圧倒的にリードする存在です。Tesla の「Full Self-Driving (FSD)」は依然として人間の監視が必要な段階にあり、Amazon 傘下の Zoox の公共サービスは限定的です。これに対し、Waymo は米国の複数の主要都市で、安全ドライバーが同乗しない完全無人での商用ロボタクシーサービスを展開する唯一の主要事業者となっています。

現在、Waymo のサービスはサンフランシスコ、フェニックス、ロサンゼルス、オースティンで展開されており、新たに 4 都市への拡大も計画されています。2026 年末までに週 100 万回の乗車達成を目標に掲げ、約 2500 台の車両(主に Jaguar I-PACE)を運行しています。年間収益は 3 億 5000 万ドル(約 549 億円)を超えているとされ、事業は着実に成長軌道に乗っています。

今回の動きは、自動運転市場、特にロボタクシー業界が再び活況を呈していることを示しています。一部のアナリストは、Waymo を単なるモビリティサービス企業としてではなく、都市のデータやインフラを掌握する「AI インフラ企業(都市 OS)」として評価し始めており、これが巨額の資金が集まる要因の一つと考えられます。調達した資金を元に、Waymo がどのようにサービスを拡大し、次世代モビリティの主導権を確立していくのか、その動向が注目されます。