テキサス州 オースティン で、Waymo の完全自動運転タクシー「 Waymo One 」が Uber アプリを通じて利用可能になりました。 2025 年 3 月 4 日から始まったこのサービスは、Waymo にとって従来の展開都市(サンフランシスコやロサンゼルスなど)と異なり、オースティン では Uber アプリを通じてのみ独占的に提供されるという特徴があります。
サービス開始時点では、ハイドパークからダウンタウン、モントポリスまでの約 37 平方マイル(約 96 平方キロメートル)をカバーしており、今後さらなる拡大が計画されています。利用者は Uber アプリで UberX 、 Uber Green 、 Comfort 、または Comfort Electric を選択すると、追加料金なしで Waymo の完全自動運転電気自動車「ジャガー I-PACE 」にマッチングされる可能性があります。
これまで Waymo と Uber の関係は常に良好だったわけではありません。 2016 年に Uber による企業秘密の盗用疑惑をめぐって訴訟が発生し、 2018 年に和解した経緯があります。Uber はかつて自社の自動運転車開発部門を持っていましたが、 2018 年のアリゾナ州での死亡事故後、最終的にこの部門を別の自動運転スタートアップ、オーロラに売却しました。
現在のパートナーシップは 2023 年に始まり、 2024 年 9 月に拡大が発表されました。この提携により Waymo は新たな都市への展開を加速させ、 Uber はその配車ネットワークに先進的な自動運転オプションを追加できるようになりました。
オースティン でのサービス開始は、 3 月 8 日から開催される大規模テックイベント「 South by Southwest ( SXSW )」に合わせたタイミングとなっており、毎年約 30 万人が訪れるこのイベントで注目を集めることが期待されています。
両社は 2025 年後半にはアトランタでも同様のサービスを開始する計画を発表しており、 Waymo は 2025 年中にマイアミを含む 10 以上の新たな都市でテストを予定しています。一方、テスラも 2025 年 6 月に オースティン で独自のロボタクシーサービスを開始する計画を発表しており、自動運転車市場の競争が激化しています。
筆者の視点:オースティンで初めて、WaymoのロボタクシーがUberのプラットフォームを通じて配車されることになりました。これまでWaymoは、サンフランシスコなどの都市では独自のアプリを通じてのみサービスを提供していましたが、オースティンではUberの圧倒的な知名度を活用する戦略を選択しました。
ロボタクシーの普及が進むにつれ、Uberの存在意義が問われるとの懸念から、Uberの株価は下落基調に陥ったこともありました。しかし、今回の提携の発表によって株価は持ち直しています。Uberはすでに確固たるブランドを築いており、仮に今後Waymoとの提携が終了したり、Teslaが独自のロボタクシーサービスを開始したりしても、新規参入する他の企業がUberのプラットフォームを利用したいと考える可能性は高いでしょう。
そのため、ロボタクシーの普及が進んだとしても、Uberは引き続き配車サービスの分野で重要な役割を果たし続けると筆者は考えています。