Alphabet 傘下の自動運転技術企業 Waymo が、2025 年 4 月中旬から東京の公道でテスト走行を開始するとアメリカの複数のメディアが報じています。これは Waymo にとって初めてのアメリカ国外での公道テストとなり、同社のグローバル展開における重要なステップとなります。
テストでは電気自動車の Jaguar I-PACE を 25 台使用し、初期段階では人間のドライバーが同乗した状態での走行となります。主な目的は、東京の道路環境や運転パターンのデータを収集し、自動運転技術を日本の都市環境に適応させることです。
Waymo は日本のタクシー会社「日本交通」や、モバイルアプリを運営する「GO」(日本交通が一部出資)と協力してテストを実施します。日本交通は車両の管理やテスト運営をサポートし、将来的には Waymo の技術を活用したサービス展開も視野に入れています。
テストは複数のフェーズに分かれており、初期段階では車両は人間が運転しながら東京の主要エリア(港区、渋谷区、新宿区、千代田区、中央区、品川区、江東区)をマッピングし、道路やインフラのデータを収集します。Waymo は、このデータを基に自動運転システムを改良し、将来的にはドライバーが同乗する自動運転テスト、そして完全自動運転へと進むことを目指しています。
東京は人口密度が高く、狭い道路や複雑な交差点、歩行者や自転車が多い環境であり、左側通行という特性もあります。これらは自動運転技術にとって大きな挑戦となりますが、Waymo はアメリカで 5,000 万マイル(約 8,000 万キロメートル)以上の自動運転実績を持ち、この知見を活かして日本の交通環境への適応を図ります。
将来的に Waymo は東京で自動運転タクシーサービスを展開することを目標としていますが、商用化の具体的な時期は現時点では未定です。日本での展開には、規制当局との協力や法整備も必要となるため、これらの課題にも取り組んでいくことになります。