2024 年 3 月 2 日、米国最高裁判所が AI と著作権をめぐる重要な判断を下しました。AI が単独で創作した作品には著作権が認められないという下級審の判決を支持し、上告の審理を拒否したのです。
事の発端は、コンピュータ科学者の Stephen Thaler 氏が 2018 年に起こした訴訟でした。Thaler 氏は自身が開発した AI「DABUS」が作成した絵画作品について、著作権の登録を申請しました。しかし著作権局はこれを却下。理由は「人間が創作していないから」というものでした。
Thaler 氏は納得せず裁判に訴えましたが、2023 年の連邦地裁、2025 年 3 月 18 日の連邦控訴裁判所と、いずれも著作権局の判断を支持しました。裁判所は「著作権には人間による創作が必須条件」だと明言しています。
では、AI を使った創作物すべてが著作権で保護されないのでしょうか。そうではありません。著作権局によれば、AI はあくまで「ツール」として使い、人間が創造的な判断やコントロールを行った作品であれば著作権が認められる可能性があります。
問題となるのは、AI に指示を出しただけで、あとは AI が自動的に作った作品です。このような場合、著作権が認められず、誰でも自由にコピーや利用ができてしまう可能性があります。
生成 AI が急速に普及する中、Thaler 氏側は「今判断しないと取り返しがつかない」と主張しましたが、最高裁は審理を見送りました。ただし、人間と AI がどの程度協働すれば著作権が認められるのかという線引きについては、まだ明確な答えが出ていません。今後も議論が続くことになりそうです。
