米国政府とインテル、半導体産業への大型投資で合意

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米国政府とインテルは、半導体産業に最大85億ドル(約1.3兆円)の直接投資を行うことで合意したと発表しました。この取り組みは、米国内でのロジックチップの開発と製造を確保し、人工知能などの先端技術に欠かせない最先端半導体の米国内での生産を後押しすることを目的としています。

インテルは今後5年間で1,000億ドル(約15兆円)以上を投じ、アリゾナ、ニューメキシコ、オハイオ、オレゴンの各施設を拡張する予定です。この拡張により、製造部門で1万人以上、建設部門で約2万人の雇用創出が見込まれています。加えて、半導体と建設分野の人材育成にも約5,000万ドル(約75億円)が充てられます。

今回の投資は、米国の製造業を活性化し、先端チップの国内供給を確保することで、経済安全保障と国家安全保障の両面で重要な意味を持っています。この合意により、2030年までに世界のAI関連半導体の20%を米国国内で生産することを目指しています。

現在、同分野では、NVIDIAが、AIの処理に必要なGPUハードウェアだけでなく、AI関連の処理に不可欠な周辺ソフトウェアプロダクト群も合わせて提供しており、競合他社に大きく差をつけています。この優位性は、先日開催された同社のGTC(GPU Technology Conference)カンファレンスでより明らかになりました。

今後は米国政府の支援を受けたインテルの追撃により、同分野の競争が活性化されることが予想されます。現時点の状況を見ると、NVIDIAの優位性は当面揺るがないように見えますが、健全な競争は分野の発展を促すためインテルの奮闘に期待したいところです。