米 Reuters が 2025 年 3 月 14 日に報じたところによると、テスラが中国での先進運転支援システム( ADAS )の性能向上を目指して、中国のテクノロジー大手バイドゥ( Baidu )と提携しているとのことです。バイドゥのエンジニアがテスラの北京オフィスに派遣され、バイドゥの地図データをテスラの完全自動運転( FSD )ソフトウェアバージョン 13 に統合する作業を行っているとのことです。
この提携の背景には、テスラが中国での自動運転技術展開において直面する独自の課題があります。中国では厳格なデータ規制により、テスラが自社の電気自動車から収集したデータを AI 訓練に使用することが制限されています。そのため、中国特有の道路環境に適応するには、バイドゥが保有する車線標示や信号機情報など詳細な地図データが不可欠となっています。
テスラにとって中国は米国に次ぐ重要市場ですが、近年は BYD や Xpeng といった地元メーカーが低価格で ADAS 機能を搭載した車両を提供し、シェアを拡大しています。テスラの中国 EV 市場シェアは 2023 年の 11.7 % から 2024 年には 10.4 % に低下しており、技術的優位性を保つための対策が急務となっています。
特に競合他社との価格競争も激化しており、BYD が自社の「 DiPilot 」システムをほぼ全モデルに無料で搭載する戦略を打ち出す中、テスラの FSD は約 64,000 元(約 8,834 ドル)などの追加料金が必要 * です。
一方、テスラは「バイドゥとの協力は地図ナビゲーションに限定されており、FSD システム全体の性能向上には関与していない」と一部報道を否定する声明を出しています。
この協力関係の行方については、中国の規制当局の姿勢や競合他社との競争状況などを含め、今後の進展が注目されています。
*追加費用はサブスクリプション形式などいくつかのオプションが用意されています。