Tesla 、車両に xAI の「 Grok 」を標準搭載開始

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Tesla は 2025 年 7 月 12 日より、イーロン・マスク氏率いる xAI の AI チャットボット「 Grok 」を、アメリカ国内で出荷される新車にほぼ標準搭載し始めました。車両が単なる移動手段から知的なパートナーへと進化する大きな転機と言えるでしょう。

マスク氏は 7 月 10 日に X (旧 Twitter )で「 Grok が Tesla 車両に来週には搭載される」と発表し、その直後にソフトウェアアップデート「 2025.26 」の配信が始まりました。既存車両でも、 AMD プロセッサ搭載のインフォテイメントシステム( MCU2 以降)を搭載していれば、アップデートで利用できるようになります。

Grok の主な特徴は、運転中でもハンズフリーで音声による質問や会話が可能な点です。ストーリーテラー調からアンヒンジド(尖った)口調まで、複数の「個性」から選べるのも面白い機能です。近隣のレストラン提案や物語の朗読など情報提供に特化しており、現時点ではエアコンやウインカー、ナビゲーションといった車両制御はできません。

対応車種は主に AMD プロセッサ搭載の「 Model S 」「 Model 3 」「 Model X 」「 Model Y 」「 Cybertruck 」となっています。プライバシー面では、 Grok との会話内容は匿名化されて Tesla に送信される仕組みで、車両やユーザーアカウントとは切り離された設計になっています。

xAI は 2025 年 7 月に Grok 4 という新モデルを発表しており、その直後に Tesla との統合が始まりました。この連携により、自動車分野での AI 導入が加速度的に進むことになります。

現在の展開はアメリカ国内に限られており、グローバル展開や正式サービス開始の時期は明らかにされていません。一方で、 Tesla と xAI の巨額投資や技術資源の相互活用については、ガバナンスや利益相反の観点から投資家や取締役会で議論が続いています。

Tesla はこの独自の AI 連携で他社との差別化を図っており、将来的には自動運転技術や車内エンターテイメントとのさらなる連携拡大も期待されます。グローバル展開や機能拡張がどう進展するか、注目していきたいところです。