AI 音楽生成 Suno が「 Version 5 」をリリース、業界最高水準の性能を主張

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AI を活用した音楽生成ツールを展開する Suno が、2025 年 9 月 23 日に最新バージョン「 v5 」をリリースしました。同社は v5 を「世界最高の音楽モデル」と位置づけており、業界最高水準( SOTA : State of the Art )の性能で前バージョン( v4.5 )を大きく上回るとしています。

今回の v5 では、ユーザーがより細かく音楽をコントロールできるようになったことと、オーディオ品質が大幅に向上したことが大きなポイントです。新たに導入された機能により、30 秒の短いフックから 8 分を超える長尺のトラックまで、自然なトランジションとダイナミックな進行を持つ楽曲を生成できるようになりました。また、ユーザーのスタイルを学習してリアルタイムで提案を行う機能も搭載され、より個別化された音楽制作が可能になっています。

ボーカルや楽器のキャラクターを一貫して維持する機能も強化されており、囁くような表現からパワフルなフックまで、感情豊かなボーカルを生成できます。処理速度も従来比で 10 倍高速化され、高品質な出力を短時間で得られるようになりました。

インターフェースも再設計され、初心者から上級者まで直感的に操作できるようになっています。テンポやダイナミクスといったパラメータを細かく調整することも可能で、より本格的な音楽制作に対応しています。リリースと同時に Suno 独自の DAW (デジタルオーディオワークステーション)もローンチされ、 v5 との統合によりシームレスな編集環境が整いました。

v5 は suno.com の Pro プラン(月額 6 ドル(約 890 円)、2,500 クレジットで最大 500 曲生成、商用利用可)以上で利用できます。ユーザーからは音質向上を評価する声がある一方で、「まだ平坦で予測可能」「 v4.5 のメロディックさが失われた」といった指摘も出ています。

なお、リリース直前には Universal Music Group などのレコードレーベルから、 YouTube のストリームを違法にリッピングして訓練データに使用したとの訴えがあり、 AI 音楽生成をめぐる倫理的・法的な課題も浮き彫りになっています。 v5 のリリースにより AI 音楽生成プラットフォームの競争はさらに激化しそうです。