ニューヨークに本社を置く AI 動画生成スタートアップ Runway が、最新アップデートの「 Gen-4 」を 2025 年 3 月 31 日に発表しました。この新しいモデルは、特にキャラクターやシーンの一貫性と制御性の向上に焦点を当てており、プロフェッショナルな映画製作ワークフローへの統合を目指しています。
Gen-4 の最大の特徴は、複数のショットやシーンにわたってキャラクター、オブジェクト、背景を一貫して生成できる点です。これまでの AI ビデオ生成モデルでは視覚的な一貫性や連続性に欠けるという課題がありましたが、Gen-4 では 1 枚の参照画像を基に、同じキャラクターやオブジェクトを異なる角度や環境のなかで自然に再現することができます。Runway が公開したデモでは、同一の人物が異なる照明条件やコンテキストで登場し、見た目がほぼ変わらない動画が示されています。
技術面では、1080p 解像度で 5〜10 秒の動画を生成でき、動きのリアリティや滑らかさが大幅に向上しています。また、ユーザーが入力する指示(プロンプト)に対する応答精度も向上し、意図したスタイルや構図をより忠実に反映した動画を生成できるようになりました。
Gen-4 は、2024 年 6 月に発表された Gen-3 Alpha の後継モデルです。Gen-3 では動画の長さが 2 秒から 10 秒に拡張され、動きや一貫性が Gen-2 から改善されましたが、複数アングルでの一貫性や複雑なシーンの制御には限界がありました。Gen-4 ではこれらの課題を克服し、新たに「世界理解(world understanding)」と呼ばれる技術を導入することで、シーン全体のコンテキストを維持しながら生成する能力が追加されています。
現在、Gen-4 は有料プラン(年間 144 ドル〜1500 ドル)とエンタープライズ向けに提供が開始されており、無料ユーザーへの展開は未定です。また、ハリウッドの大手スタジオであるライオンズゲートとの提携を通じて、AI 生成動画を活用した映画製作も進められています。
Gen-4 は、OpenAI の Sora や Google の Veo 2、Meta の Movie Gen といった競合モデルに対抗する形でリリースされました。特に、キャラクターの一貫性とシーンの連続性で他社をリードしていると主張しており、AI ビデオ生成の分野での優位性を狙っています。
一方で、Runway は著作権素材を無許可で使用しているとしてアーティストや他社から訴訟を起こされており、トレーニングデータの透明性や著作権問題など、解決すべき課題も残されています。