AI スタートアップの Runway 社は、最新のビデオ生成 AI モデル「Gen-4」の新機能として「Gen-4 References」を発表しました。この機能は、有料プランのユーザーとエンタープライズ顧客向けに提供されています。
Gen-4 References の最大の特徴は、1 枚から 3 枚程度の参照画像を使用して、特定のキャラクターや場所を生成し、それを様々なシーンに一貫性を保ったまま配置できることです。ユーザーは写真やAI で生成した画像、3D モデル、セルフィーなどを参照画像として使用可能で、照明条件や場所、演出が異なるシーンでも、キャラクターの見た目を変えずに保つことができます。
これにより、従来の AI ビデオ生成の課題だったフレーム間でキャラクターやオブジェクトの見た目が変化してしまう問題を解決し、キャラクターや背景の情報を覚えておく「視覚の記憶力」とも言える機能を実現しています。キャラクターの服装や背景を維持したまま、異なるアングルからのショットを生成したり、より現実的で意図的な動きを持つ動画を作成したりすることが可能になりました。
Runway 社は 2025 年 4 月初旬に 3 億 800 万ドル(約 4 兆 6200 億円)の資金調達を完了し、企業評価額が 30 億ドル(約 45 兆円)に達したことも報じられています。この資金は Gen-4 のような先進的な AI モデルの研究開発や、Runway Studios の映画・アニメーション制作拡大に充てられる予定です。
利用料金については、Free プランでは 125 クレジット(Gen-4 Turbo または Gen-3 Alpha Turbo で 25 秒分)が一度だけ付与されます。有料プランは Standard が月額 12 ドル(約 1800 円)、Pro が月額 28 ドル(約 4200 円)、Unlimited が月額 76 ドル(約 11400 円)となっています(年払いの場合)。
Gen-4 は、高品質な映像とプロンプトへの忠実な再現性、物理法則のシミュレーション能力において大きな進歩を遂げており、クリエイターはより自由な発想で一貫性のある物語や映像表現を追求できるようになりました。今後は映画、アニメーション、ミュージックビデオなどの分野での活用が期待されています。