2025 年 7 月 15 日、 AI 動画生成プラットフォーム Runway が次世代モーションキャプチャモデル「 Act-Two 」をリリースしました。Act-One から大幅に進化したこのツールは、たった 1 本のパフォーマンス動画があれば、頭部・顔・体・手の細かな動きまでキャラクターに忠実に反映できる革新的な機能を実現しています。
最も注目すべきは、専門的なモーションキャプチャ機材が全く必要ない点です。スマートフォンや普通のカメラで撮影した動画と、キャラクターの参照画像さえあれば、俳優の表情や視線、指先の動き、全身の動作といった繊細なニュアンスをそのままデジタルキャラクターに移すことができます。
対応するキャラクターの幅も広く、リアルな人物からアニメ風キャラクター、さらには人間以外の形状まで様々なアートスタイルで利用できます。映画制作、広告、ゲーム開発、 YouTube 動画、アニメーション作品など、あらゆる映像制作現場での活用が想定されています。
使い方も非常に柔軟です。パフォーマンス動画とキャラクター画像を組み合わせれば、「ジェスチャーコントロール」機能で体の動きを細かく調整でき、静止画像からでも自然な動きを自動で生成してくれます。キャラクターの動画を使用する場合は、元の環境やカメラアングルを保ちつつ、表情や顔の動きだけを別の演技に差し替えることも可能です。
技術仕様では、最大 30 秒間・ 24fps の映像クリップを一度に生成でき、アイデアの検証から本格制作まで素早く対応できます。料金は 1 秒につき 5 クレジット( 0.05 ドル、約 7.4 円)の従量制となっています。
これまでモーションキャプチャといえば、専用スタジオや高額な機材、複雑なセットアップが当たり前でした。 Act-Two はそうした障壁を一気に取り払い、制作コストと技術的ハードルを大幅に下げています。優れたアイデアと演技力さえあれば、個人クリエイターでもハリウッド級の映像表現が手の届く範囲になったといえるでしょう。
現段階では Runway のエンタープライズ顧客やパートナークリエイター向けの提供ですが、一般ユーザーへの拡大も近く予定されています。 OpenAI の「 Sora 」と並ぶ最先端の AI 動画ツールとして、クリエイティブ業界での注目度は急速に高まっています。