元 Google DeepMind 研究者が設立した Reflection AI 、コード理解特化 AI 「 Asimov 」をリリース

投稿者:

元 Google DeepMind の研究者が設立した AI スタートアップ Reflection AI が、新しい AI エージェント「 Asimov 」をリリースしました。この AI は、これまでのコーディング支援ツールとは大きく異なるアプローチを取っています。

従来の AI ツールはコードの自動生成に重点を置いていましたが、 Asimov はコードの「理解」に特化しています。実際、開発者は作業時間の 70% をコードの読解に費やしており、コードを書く時間はわずかです。 Asimov はこの現実に着目し、大規模なコードベースの理解と設計支援に焦点を当てています。

Asimov の特徴は、コードだけでなく設計書類、 GitHub の議論、 Slack のやり取り、メールなど、開発チーム内のあらゆる情報を取り込んで統合することです。これにより、単なるコード生成ではなく「なぜそのコードが書かれたのか」「どのような経緯で設計されたのか」といった背景まで理解した回答ができるようになります。

「 Memories 」という機能では、エンジニアが「 @asimov remember X works in Y way 」と入力するだけで、チームの暗黙知や重要なノウハウを AI に記憶させられます。この知識は適切な権限管理のもとでチーム全体で共有され、属人化しがちな技術知識の組織的な蓄積が可能です。

技術面では、複数の小さな AI エージェントが大量の情報から関連する部分を探し出し、それを統合して一貫性のある回答を生成する仕組みを採用しています。セキュリティ面でも、顧客の仮想プライベートクラウド内で動作するため、機密情報が外部に漏れる心配はありません。

性能については、大規模オープンソースプロジェクトの管理者による比較テストで、競合他社の製品よりも 60 ~ 80% の割合で高い評価を得たと発表されています。ただし、これは内部調査に基づく結果で、すべての競合製品との独立した比較はまだ行われていません。

Reflection AI は、 Asimov を将来の超知能 AI への重要なステップと位置づけています。コードの深い理解能力を基盤として、将来的にはソフトウェアの設計から開発、修正まで自律的に行えるシステムの構築を目指しています。

現在 Asimov は早期アクセス段階で、選ばれたチームのみが利用できます。関心のある企業は同社のウェブサイトでウェイトリストに登録可能です。