【 Breaking News 】Google の AI 要約でクリック率が半減、ピュー・リサーチが調査結果を発表

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ピュー・リサーチセンター( Pew Research Center )は 2025 年 7 月 22 日、 Google の検索結果ページに AI 生成の要約( AI Overviews )が表示されると、ユーザーのリンククリック率が約 50 %低下することを明らかにした最新レポートを発表しました。

この調査は、アメリカの 900 人の Google ユーザーの行動データ( 2025 年 3 月)を分析したもので、 68,879 件の検索データを基に実施されました。 AI 要約が表示される検索ページでは、ユーザーが従来型の検索結果リンクをクリックした割合はわずか 8 %でした。一方、 AI 要約が表示されないページでは 15 %と、ほぼ 2 倍のクリック率を記録しています。さらに、 AI 要約内の出典リンクがクリックされる割合は、わずか 1 %という低水準でした。

調査結果では、 AI 要約が表示された場合、 Google の検索ページ閲覧後にウェブ全体の閲覧セッションを終了するユーザーが 26 %に上り、従来型の検索結果のみの場合の 16 %を大きく上回りました。これは、ユーザーが AI 要約の情報で満足し、追加の情報を求めない傾向を示しています。

AI 要約は、Googleの全ての検索結果に表示されるわけではなく、現状は全検索の約 18 %で表示されており、検索キーワードが長いほど、また自然文の質問形式の検索ほど表示されやすい傾向があります。 1 〜 2 語の短い検索では 8 %しか AI 要約が表示されませんでしたが、 10 語以上の長い検索では 53 %まで上昇しました。また、「 who 」「 what 」「 when 」「 why 」で始まる質問文では 60 %の確率で AI 要約が表示されています。

引用元については、 Wikipedia 、 YouTube 、 Reddit が最も多く引用されており、全引用の 15 %を占めています。この集中度の高さは、ユーザーが接触する情報の多様性に関する懸念を提起しています。

Google はこの調査結果に対して異議を唱え、調査手法に欠陥があり、全体的な検索トラフィックを代表していないと主張しています。同社は AI 機能により多くの質問が可能になり、ウェブサイトとの関わりの機会が創出されると反論していますが、具体的なデータは提供していません。

この変化は、パブリッシャーや SEO 専門家が懸念していた通り、 AI 要約が外部ウェブサイトへのトラフィックを減少させることを実証しており、検索トラフィックに依存するコンテンツ制作者にとって大きな課題となっています。また、ユーザーが情報源を検証することが稀なため、 AI 要約に誤りがあった場合の誤情報拡散リスクも指摘されています。


筆者の視点:こうした調査結果が出る一方で、最近の Google の決算発表では異なる側面が明らかになっています。 Google (アルファベット)は 2025 年第 2 四半期決算で、 Google 検索の広告部門の好調を強調し、「検索広告の収益が 2 桁成長した」と発表しています。サンダー・ピチャイ CEO は、生成 AI を活用した「 AI オーバービュー」や「 AI Mode 」などの新機能によって検索数自体も増加しており、広告収益の増加を牽引していることを強調しています。

この決算発表は市場にとっては予想に反するいいサプライズと受け止められ、Googleの株価はここ数日上がっています。AI 検索が台頭していることにより、Google 検索が脅かされていることは間違いないですが、未だ圧倒的なシェアを誇るため、そう簡単に短期間では牙城を崩せないという格好です。その間に Google が従来型検索と AI 検索のいいバランスを見つけ出すことができるか、に注目です。