Perplexity が AI 搭載ブラウザ「 Comet 」を発表、 Chrome に挑戦する次世代ブラウジング体験

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AI 検索スタートアップの Perplexity は、新しい AI 搭載ウェブブラウザ「 Comet 」を発表しました。このブラウザは Perplexity 独自の検索エンジンと、エージェント的なタスクを実行できる AI アシスタントを組み込んでおり、従来の「検索して情報を探す」体験から「 AI が情報を理解し、必要なアクションまで一気通貫で実行する」体験への進化を目指しています。

Comet の最大の特徴は、サイドバーに常駐する「 Comet Assistant 」です。この AI アシスタントは、閲覧中のウェブページの内容を理解・解析し、 YouTube 動画や Google ドキュメント、 SNS 投稿など、あらゆるページの要点を要約したり、質問に即座に回答したりできます。さらに、会議の予約、メールの送信、ウェブサイトの自動ナビゲーションなど、複雑な作業も自動化します。

エージェント的タスクの実行も大きな売りで、ホテルや商品の比較・予約、カレンダー管理、メールや SNS の自動要約など、ユーザーの指示に基づいて一連のタスクを自律的に実行可能です。 Slack などのエンタープライズアプリとも連携し、音声やテキストで複雑な質問や操作ができ、 800 以上のアプリとのインテグレーションにより、日常業務や個人のタスクも一元管理できます。

Chromium ベースで構築されており、 Chrome 拡張機能やブックマークの移行もワンクリックで可能です。ネイティブの広告ブロッカーも搭載し、プライバシー重視の設計となっています。データはローカル保存を基本とし、プライバシーモードや厳格なトラッキング制御機能を搭載しています。

現時点では「 Perplexity Max 」プラン(月額 200 ドル・約 2 万 9000 円)加入者およびウェイティングリスト登録者限定で提供されており、今後一般ユーザーへの招待制展開や、 Mac / Windows 以外のプラットフォーム対応も予定されています。

この動きは Google Chrome への直接的な挑戦と位置づけられており、 Perplexity の CEO アラビンド・スリニバス氏は、 Chrome が Perplexity をデフォルト検索エンジンとして採用しなかったため、独自ブラウザの開発を決意したと述べています。

ただし、課題も指摘されています。初期テストでは複雑なタスクでエラーが発生するケースも報告されており、誤った日程で予約を試行してしまうなどの問題も発生しています。

競争環境では、 The Browser Company の「 Dia 」や OpenAI の AI ブラウザなど、 AI 搭載ブラウザ市場は競争が激化しています。 Google も Chrome に AI 機能を統合しており、約 68 %の市場シェアを持つ Chrome に対抗するには依然として相当なハードルがありそうです。