OpenAIの動画生成AI研究リーダーがGoogle DeepMindに移籍、人材流出が続く

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OpenAIの動画生成AIシステム「Sora」の研究リーダー、Tim Brooks氏がOpenAIを退社し、Google DeepMindに移籍することを発表しました。Brooks氏はX(旧Twitter)で「Google DeepMindに入社し、動画生成とワールドシミュレーターの開発に携わります」と報告しています。

Google DeepMindのCEO、Demis Hassabis氏はBrooks氏の加入を歓迎し、「長年の夢であるワールドシミュレーターの実現に向けて共に取り組むことを楽しみにしています」と述べました。Google DeepMindによる「ワールドシミュレーター」は、インタラクティブな仮想世界を生成するAIモデルで、ゲームや映画のコントローラブルなコンテンツ制作や、現実世界に展開可能なエージェントを訓練するためのシミュレーション技術など、幅広い応用が期待されています。

Brooks氏の退社は、OpenAIにとって大きな損失となり得ます。「Sora」は現在も技術的な課題を抱えており、競合他社に対して遅れを取る可能性があります。例えば、初期バージョンの「Sora」では1分の動画クリップの生成に10分以上かかるといった処理速度の問題が報告されています。

また、Brooks氏の退社は、OpenAI幹部の退社の連鎖の一環でもあります。2024年9月にはCTOのMira Murati氏、Chief Research OfficerのBob McGrew氏、VP of ResearchのBarret Zoph氏が退社を発表し、2024年初めにはAndrej Karpathy氏、Ilya Sutskever氏、Jan Leike氏といった著名な研究者も退社しています。

OpenAIからの人材流出が止まらない一方、最近ではGoogleのDeepmindが人を惹きつけているように見えます。