OpenAI、Sora を廃止し次世代モデル Spud の開発へ注力

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OpenAI が、AI 動画生成ツール「Sora」の提供を終了することを発表しました。リリースからわずか 6 ヶ月での撤退です。一般向けの Web・アプリサービスは 2026 年 4 月 26 日に、開発者向け API は 2026 年 9 月 24 日にそれぞれ終了する予定です。

Sora は公開直後こそ月間 100 万人のユーザーを集めましたが、その後は 50 万人を下回るほど利用が落ち込みました。それでも動画を生成するための計算コストは膨大で、1 日あたり約 100 万ドル(約 1.5 億円)の費用が発生し続けていました。2025 年 12 月には Disney が 10 億ドル(約 1,500 億円)の出資契約を結び、Disney+ での活用も検討されていましたが、廃止の決定によってこの話も立ち消えになりました。Disney 側が廃止を知らされたのは発表のわずか 1 時間前だったと報じられています。

OpenAI は公式発表より前に、Sora に割り当てていた計算リソースを次世代モデル「Spud」(開発コード名)へ振り向けていました。Spud はコーディング支援や法人向けサービスの中核を担うモデルとして開発が進められており、事前学習は 2026 年 3 月 24 日頃に完了したとされています。予測市場 Polymarket の試算では、2026 年 4 月 30 日までのリリース確率が 78%、6 月 30 日までには 95% 以上に達するとみられています。

CEO の Sam Altman 氏は社内向けのメモで「数週間以内に非常に強力なモデルが完成する」と記しており、President の Greg Brockman 氏もポッドキャストで「2 年分の研究の集大成であり、単なる性能向上ではなくモデル開発の考え方そのものが変わる」と語っています。製品名は GPT-5.5 あるいは GPT-6 になるとも言われていますが、現時点で OpenAI から正式な発表はありません。

こうした方針転換の背景には、競合の Anthropic との競争が厳しさを増している現状があります。Anthropic の年間収益換算(ARR)は 300 億ドル(約 4.5 兆円)超と、OpenAI の 250 億ドル(約 3.75 兆円)をすでに上回っています。法人向け AI API の市場でも Anthropic のシェアは 32% に達し、新規顧客の 7 割が Anthropic を選んでいるとされます。危機感を強めた Altman 氏は 2025 年 12 月、8 週間にわたる「コードレッド」を社内に宣言し、主力製品への経営資源の集中を指示していました。

廃止後も、Sora で培った映像・物理シミュレーションの技術はロボティクス分野に活かされる予定で、製造や物流といった産業領域への応用が見込まれています。