投稿者: OpenAIは2024年9月12日、最新のAIモデルシリーズ「OpenAI o1」をリリースしました。このモデルは、人間のように応答する前により多くの時間をかけて思考するように設計されており、特に科学、コーディング、数学の分野で難しい問題を解決する能力が強化されています。
o1シリーズには、高性能モデルの「o1-preview」と、処理速度と効率性を向上させた軽量版の「o1-mini」の2種類があります。o1モデルの主な特徴は、応答前に内部で複雑な「思考の連鎖（Chain of Thought）」プロセスを経ることです。このプロセスにより、国際数学オリンピック予選試験で83%のスコアを獲得(GPT-4oは13%)し、物理学、化学、生物学の難しいタスクでは博士課程の学生と同等のパフォーマンスを発揮しています。また、コーディングコンテスト「Codeforces」では上位11%に入るなど、優れたコーディング能力を発揮することができるようになりました。
安全性の面でも、米国と英国のAI安全協会と提携し、米国政府とも協力してデューデリジェンスを確立するなど、強化が図られています。
o1-miniは、o1-previewの3倍の速度で処理でき、API利用料金はo1-previewモデルの5分の1となっています。STEM分野においてはo1-previewと同等のスコアを維持していますので、タスクに応じて使い分けが推奨されます。
ChatGPT PlusとTeamユーザーは9月12日から順次o1モデルを利用可能となっており、ChatGPTのUIからo1-previewは週30メッセージ、o1-miniは週50メッセージまで利用できます。
OpenAI o1は、従来、Q-Star(*)やStrawberryという開発コードで呼ばれるものの正式リリースモデルとなります。複雑な推論タスクでの大きな進歩を示しており、従来のGPTシリーズとは異なった得意分野を持つモデルとなりました。