【 Breaking News 】OpenAI が最新モデル「 GPT-5 」を正式発表、全ユーザーに提供開始

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OpenAI は 2025 年 8 月 7 日(米国時間)、最新の大規模言語モデル「 GPT-5 」を正式に発表し、同日から ChatGPT の全ユーザー(無料・有料問わず)への提供を開始しました。GPT-5 は同社のこれまでのモデルを統合し、推論能力やマルチモーダル機能が大幅に強化された「フロンティアモデル」として位置づけられています。

最も注目すべきは、推論能力の飛躍的な向上です。OpenAI は GPT-3 を「高校生レベル」、GPT-4 を「大学生レベル」とするなら、GPT-5 は「博士号を持つ専門家レベル」の知能を実現したと説明しています。複雑なタスクに応じて自動的に「深く考える」モードに移行し、簡単な質問から専門性の高い相談まで、一貫して最適な回答を提供します。

技術面では、最大 256,000 トークン(日本語で数十万字相当)のコンテキストに対応し、従来の約 2 倍の長いドキュメントやコードベースの処理が可能になりました。また、テキスト、画像、音声をリアルタイムで処理するマルチモーダル機能も強化され、将来的には動画処理にも対応予定です。

信頼性の向上も大きな進歩として挙げられます。GPT-5 では、ハルシネーション(誤った情報の生成)が前世代の GPT-4o と比較して 80% 削減されたとされ、特定のプロンプトでのハルシネーション率を 14.5% から 6% 未満に低減しました。これにより、ビジネスや研究分野での実用性が大幅に向上しています。

コーディング能力も飛躍的に進化し、実際のソフトウェアエンジニアリング課題を評価する SWE-Bench Verified で 74.9% の正答率を記録しました。複雑なフロントエンド生成や大規模リポジトリのデバッグにおいて、従来モデルを大きく上回る性能を発揮しています。

安全性についても新機能「Safe Completions」を導入し、危険な質問に対して単純に拒否するのではなく、安全な範囲で最大限有用な情報や代替案を提供できるようになりました。OpenAI は開発中に 5,000 時間以上の安全性テストを実施し、Microsoft の AI Red Team による厳格なセキュリティ検証も完了しています。

ユーザビリティ面では、「Cynic」「Robot」「Listener」「Nerd」の 4 つのパーソナリティから選択可能となり、会話スタイルをカスタマイズできます。従来モデルで見られた必要以上におべっかを使う傾向や装飾的な表現を抑制し、より自然で思慮深い対話を実現しています。

提供形態は幅広く、無料ユーザーも基本機能を利用でき、Plus・Pro ユーザーはより多くの機能と利用回数を利用できます。開発者向けには gpt-5 、gpt-5-mini 、gpt-5-nano 、gpt-5-chat の 4 つのバリエーションを API 経由で提供し、Microsoft の GitHub Copilot や Azure AI Foundry などの製品にも統合されています。

CEO のサム・アルトマン氏は「GPT-5 はまだ AGI (汎用人工知能)のレベルには達していないものの、その目標に向けた大きな前進」と述べており、今後も専用 API プランやビジネス向け拡張の展開を予定しています。このリリースにより、Google の Gemini や Anthropic の Claude との競争がさらに激化することは確実で、AI 業界の発展を大きく加速させる要因となりそうです。