OpenAIは、AIチャットサービス「ChatGPT」にグループチャット機能を追加し、全プラン(Free、Go、Plus、Pro)のユーザーへの提供を開始しました。この機能により、最大20人のユーザーが同じスレッド内でChatGPTを交えながら共同作業できるようになります。これまで個人のアシスタントとして使われてきたAIが、より統合的な協働ツールへと進化する動きとして注目されています。
新機能はChatGPTのウェブ版とモバイルアプリで利用でき、共有リンクから他のユーザーを招待するだけで簡単にグループチャットを始められます。特徴的なのは、ChatGPTが単なる応答ツールではなく、会話の参加者として振る舞うよう設計されている点です。AIは会話の流れを読み取り、応答すべきタイミングを判断します。「ChatGPT」とメンションすれば、AIに直接タスクを依頼することもできます。
グループチャットでは、ウェブ検索、ファイルや画像のアップロード、DALL-E 3による画像生成といった既存機能もすべて使えます。友人との旅行計画でフライト情報を比較したり、ビジネスチームのブレストでアイデアをまとめたり、学術研究で資料を整理したりと、幅広い場面での活用が期待できます。
OpenAIはプライバシーと安全性にも配慮しています。グループチャットの会話は個人のチャット履歴とは完全に分離され、18歳未満が参加するグループでは不適切なコンテンツが自動的に制限されます。また、すべてのメッセージは30日後に自動削除される仕組みになっています。
このアップデートは、ChatGPTを個人ツールからチームやコミュニティの共同作業スペースへと変えていくOpenAIの意図を示しています。同社は今後、ユーザーの意見をもとに「グループチャットの振り返り」や「タスクリスト」といった機能の追加を予定しており、2026年第1四半期には最大200人まで対応する企業向けプラン「ChatGPT Team Rooms」のリリースも計画しています。AIが私たちのコミュニケーションや意思決定により深く組み込まれていく未来を示すアップデートといえるでしょう。
