OpenAI、GPT-5 への反発受け ChatGPT に複数の変更を実施

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OpenAI の CEO サム・アルトマン氏は 2025 年 8 月 13 日、最新モデル GPT-5 のリリースに対するユーザーからの強い反発を受けて、ChatGPT にいくつかの重要な変更を加えることを発表しました。この対応は、従来モデルの廃止や新モデルの性格変更に対するユーザーの不満に応えたものです。

GPT-5 のリリース後、多くのユーザーから激しい批判が寄せられていました。特に問題となったのは、使い慣れた GPT-4o モデルが利用できなくなったことと、GPT-5 の応答スタイルや性格が期待と異なっていたことです。ユーザーは「ChatGPT は自分が使い慣れた会話スタイルや個性を持った AI であってほしい」と強く要望しており、アルトマン氏は「ユーザーが特定の AI モデルに強い愛着を持ち始めている事実に十分対応しきれていなかった」と正式に認めました。

この反発を受けて実施された主な変更点は以下の通りです。まず、GPT-4o モデルが有料プランユーザー向けにモデル選択画面へ復活しました。さらに、設定画面で「Show additional models」を有効化すると、o3 や 4.1、GPT-4.5(Pro 限定)などのレガシーモデルも選択可能になります。今後、モデル廃止がある場合は必ず事前通知する方針も明確にされました。

GPT-5 自体についても、「Auto」「Fast」「Thinking」の 3 つのモードが選択可能になりました。Auto はほとんどのユーザーに最適なデフォルト設定、Fast は高速処理重視、Thinking はより深い推論が必要なタスク向けとなっています。

利用制限についても大幅な改善が行われています。GPT-5 Thinking モードの週あたり利用制限は 3,000 メッセージに拡大され、上限到達後は「GPT-5 Thinking mini」で継続利用が可能となりました。

また、GPT-5 の性格(トーン)についても調整が予定されています。現在のものよりも「温かみがある」方向への調整が進められていますが、GPT-4o のように「過剰」と感じられるレベルにはならないよう配慮されています。ユーザーごとに個性や会話スタイルをパーソナライズできる制御機能の拡充も今後の方針として示されています。

ユーザーからの反応は分かれており、GPT-4o の復活や選択肢の拡大を歓迎する声がある一方で、アルトマン氏が GPT-4o を「煩わしい」と表現したことに反発する声も多く見られます。特にクリエイティブな用途で AI を活用するユーザーからは、感情的な深さや直感的な共鳴の重要性を指摘する意見が寄せられています。