OpenAI は 2025 年 10 月 6 日に開催された Dev Day イベントで、 ChatGPT を中心とした大規模なアップデートを多数発表しました。主な内容としては、 ChatGPT に直接アプリを統合できる新機能、ノーコードでエージェントを構築できる「 AgentKit 」、最新モデル「 Sora 2 」や「 GPT-5 Pro 」の API 公開など、開発者や一般利用者向けに大きく拡張されています。
今回のアップデートで最も注目されるのは、 ChatGPT が「オペレーティングシステム」的なプラットフォームへと進化した点です。これまで ChatGPT は単体のチャットツールとして利用されてきましたが、今後は Canva や Zillow といった外部サービスと直接連携できるアプリ機能が追加されます。これにより、ユーザーは ChatGPT 内で様々なタスクをシームレスに実行できるようになります。
開発者向けには「 Apps SDK 」「 AgentKit 」「 ChatKit 」「 Codex 」などの新しい開発ツールが発表されました。特に AgentKit は、プログラミングの知識がなくてもカスタム AI エージェントを簡単に構築できるキットで、複雑なタスクの自動化を可能にします。会話型インターフェースを強化する ChatKit も同時に公開され、開発者はテンプレートを活用して迅速にアプリを作成できるようになりました。
動画生成の分野では、最新モデル「 Sora 2 」の API が 2025 年 10 月 7 日に公開されました。 Sora 2 は最大 90 秒の 4K 動画と同期する空間音声を生成でき、物理シミュレーションの精度や複数ショット間のストーリー展開が大幅に改善されています。開発者は自分のアプリやサービスから直接 Sora 2 を利用できるようになり、料金は 1 秒あたり約 0.10 ドル(約 15 円)の従量制となっています。 TikTok との連携も発表されており、ソーシャルメディアでのクリエイティブな活用が期待されます。
言語モデルの分野でも、最新の GPT-5 Pro モデルが API で利用可能になり、より高精度な推論と応答が可能になりました。加えて、リアルタイム推論用の「 gpttime-mini 」や画像生成専用モデル「 GPT Image One Mini 」なども発表され、用途に応じた最適なモデル選択ができるようになっています。
OpenAI は今後、 ChatGPT 内でのアプリ公開やアプリディレクトリの新設、サードパーティによるアプリ開発の促進など、「 AI による新しい開発エコシステムの確立」を目標としています。これにより、 ChatGPT は単なる対話型 AI から、様々なアプリケーションが動作する包括的なプラットフォームへと変貌を遂げようとしています。