OpenAIは2025年2月25日、これまで月額200ドル(約3万円)のChatGPT Proユーザー限定で提供していた「Deep Research」機能を、ChatGPT Plus(月額20ドル)、Team、Edu、Enterpriseプランのユーザーにも提供開始しました。ただし、利用回数には制限があり、Proプランでは月120回(以前は100回)利用可能なのに対し、それ以外のプランでは月10回までとなっています。
「Deep Research」は、インターネット上の膨大な情報を検索・分析し、包括的な調査レポートを自動生成する機能です。ユーザーが質問を入力すると、数百のオンラインソースを統合し、最大1万字以上の詳細なレポートを約10分で作成します。出典が明記されるため、透明性と信頼性が確保されています。
この機能はOpenAIの「o3モデル」をベースにウェブブラウジングとデータ分析に特化して最適化されており、人間が数時間かけて行うような調査作業を短時間で完了できます。学術研究や市場調査、競合分析、コンテンツ制作など、多くの場面で活用可能で、特に時間がかかる情報収集プロセスを大幅に短縮するツールとして注目されています。
今回のアップデートでは、レポートに画像を埋め込んで引用元を明示する機能や、ユーザーがアップロードしたファイル(PDFやテキスト)の内容をより正確に理解し参照する能力が向上しました。また、OpenAIは数百人のドメイン専門家の協力を得てトレーニングを行い、正確で信頼性の高い応答を生成するよう調整したと強調しています。
この発表は、MicrosoftがCopilotのAI機能を無料で無制限に提供する戦略を打ち出した直後に行われました。OpenAIはこの競争に対応する形でDeep Researchの提供範囲を拡大しつつ、新たな機能改善も進めています。
現時点では無料ユーザーへの提供は予定されておらず、OpenAIは「Deep Researchは計算リソースを大量に消費する」と述べており、無料プランへの拡張はすぐには期待できないようです。