投稿者: OpenAIが広告モデルの導入を検討しているというニュースが明らかになりました。Financial Timesが最初に報じたこの情報は、OpenAIのCFOであるサラ・フライアー氏へのインタビューに基づいています。
現在、OpenAIの年間収益は約40億ドル（約6,000億円）に達し、週間アクティブユーザー数は2億5000万人を超えていますが、AIモデルの開発・トレーニングコストが高額であるため、2024年には約50億ドル（約7,500億円）の支出が予想されています。こうした状況の中、OpenAIは持続可能な収益モデルを模索しており、広告の導入がその一環として検討されています。
フライアー氏は、広告モデルについて「慎重に検討している」と述べる一方で、インタビュー後の声明では「現時点で広告導入の具体的な計画はない」と補足しています。OpenAIは、GoogleやMetaから広告の専門家を採用するなど、将来的な広告戦略の準備を進めている様子が伺えますが、ユーザー体験への影響や、広告主重視のモデルに転換しないといけないリスクなど、慎重な判断が必要とされています。
現在のOpenAIの主な収益源は、ChatGPT Plusの月額20ドルの有料サブスクリプションや、企業・開発者向けのAPI利用料などです。そのうち75％の大部分が有料サブスクリプションから来るものと報じられています。後発のAI企業と激しい競争を繰り広げている現在、ユーザー体験を落とす広告の導入に慎重になるのもうなづけますが、背に腹は変えられないのでは？という議論も内部でくすぶっている様子が見て取れます。
OpenAIは1500億ドル（約22.5兆円）の企業価値を持つ企業に成長しましたが、収益性の向上が急務となっています。広告モデルの導入は、その解決策の1つとして検討されていますが、具体的な実施計画はまだ存在しないようです。OpenAIがどのような形で収益モデルを進化させていくのか、今後の動向が注目されます。