投稿者: OpenAI は、 Google の最新 Gemini アップグレードなど競合の追い上げを受けて、社内で「コードレッド( code red )」体制を宣言しました。サム・アルトマン CEO は社員向けメモで、今は「 ChatGPT にとって重要な時期」として、 ChatGPT のパーソナライズ、速度、安定性、画像生成などの改善を最優先するよう指示したと報じられています。
この方針転換に伴い、広告ビジネスやショッピング、ヘルスケア向けエージェント、個人アシスタント「 Pulse 」など一部プロジェクトは後回しになるとされています。関連チームのメンバーを一時的に移籍させ、毎日電話会議を実施するなど、リソースを ChatGPT に集中させる体制に入っています。
直接のきっかけは、 Google の Gemini 3 のリリースと、検索・ Gmail ・ Docs ・ Android など Google エコシステム全体への急速な組み込みで、 Gemini がユーザー数とシェアを大きく伸ばしていることです。一部の分析では、 Gemini 3 公開後 2 週間で ChatGPT のデイリーアクティブユーザーが数%減少したとの指摘もあり、 OpenAI にとって初めての本格的な逆風として受け止められています。
同時に OpenAI は「 Garlic 」というコードネームの新しい大規模言語モデルを開発しており、内部ベンチマークでは Google の Gemini 3 や Anthropic の Claude Opus 4.5 を、特にコーディングと推論タスクで上回っていると伝えられています。各種報道では、 Garlic は GPT-5.2 または 5.5 に相当するアップグレードとして、 2026 年頃の投入を目標としているとされています。
アルトマンは、より小さい「推論特化モデル」を来週にも公開予定と社内向けに述べており、これは Google の Gemini 3 をベンチマークで上回る性能だとされています。近い将来の変化としては、 ChatGPT の応答速度向上、パーソナライズの強化、より安定した推論能力、画像生成の品質向上などが段階的に反映されていく可能性が高いです。
ただし、今回の「コードレッド」宣言は、 Google が新しく発表した Gemini 3 が優れていることを示すと同時に、 OpenAI が今後数週間で新しいモデルを発表する予定をしていることから、それに注目を集めるためのパフォーマンスにすぎない、という見方をする人もいます。いずれにしても、 AI 業界のトップを走る両社の競争が、ユーザーにとってより良いサービスの提供につながることは間違いないでしょう。