OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、最近のX(旧Twitter)での投稿で、同社が提供する月額200ドルのChatGPT Proサブスクリプションで損失を出していることを明らかにしました。ChatGPT Proは、OpenAIの最上位の有料プランであり、最先端のAIモデル「o1」への無制限アクセスや高度な音声機能、動画生成AI「Sora」への拡張アクセスなどの特典を提供しています。
しかし、アルトマン氏は「人々が予想以上に多く使用している」ため、収益を上げるどころか損失を出していると述べています。この状況は、ユーザーの予想を大きく上回る利用頻度、高度なAIモデルの運用コスト、プロフェッショナルユーザーによる集中的な利用などが原因となっています。
OpenAIは、2024年に約50億ドル(約7,884億円)の損失を予想しており、売上は37億ドル(約5,834億円)にとどまりました。
この問題に対処するため、OpenAIは価格設定の見直しやビジネスモデルの再考を検討しています。具体的には、現在のサブスクリプション価格の引き上げや使用量ベースの価格設定の導入、持続可能なサービス提供の方法や適切な利用制限の検討などが挙げられます。
今後、OpenAIは新たな投資を引き付けるための企業再編を計画しており、より多くの資本が必要であることを認めています。
筆者の視点:当初月額200ドル(約3万円)のProユーザーが発表されたときには、20ドル(約3千円)くらいが通例となっていたAIのサブスクリプションに比べて高すぎる料金設定が話題となりました。ただ、今回のポストで200ドルの料金設定でも一部のヘビーユーザーに対応するのは低すぎた、ということが明らかになりました。年末に予告された次世代の「o3」モデルではさらにサーバー側の処理が重たくなることもわかっていますので、今後、プロ用のサブスクリプションはさらに値上げされていくことが予想されます。