OpenAI が ChatGPT への広告導入を本格検討、2026年パイロット開始予定

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米 The Information 紙の報告によると、OpenAI が ChatGPT チャットボット内での広告形式とパートナーシップの探求を開始したことが明らかになりました。2022年11月の登場以来、ChatGPT は広告を掲載せずフリーミアム定額制モデルに依存してきましたが、財務面での厳しい状況から収益化戦略の転換を迫られています。

OpenAI は2024年に37億ドル(約5550億円)の収益を上げる一方で、約50億ドル(約7500億円)の損失を計上する見込みです。年間の AI 訓練・推論コストが70億ドル(約1兆500億円)、人件費が15億ドル(約2250億円)に達する可能性があり、新たな収益源の確保が急務となっています。現在 ChatGPT の週間アクティブユーザーは9億人に達していますが、有料プランに加入しているのはわずか5%にとどまっています。

同社が検討している広告戦略は社内で「インテント基盤収益化」と名付けられており、購入に関連した質問に重点を置き、スポンサー企業の結果を優先的に表示する仕組みです。ただし、この機能は約2.1%の質問にのみ適用される予定となっています。また「生成広告」というコンセプトでは、ChatGPT が広告を自動作成し、商品の具体的な特徴を選択してより高い成約率を目指します。

具体的な広告表示方法としては、ChatGPT のメイン回答画面の横にサイドバーでスポンサー情報を表示することや、ユーザーがバルセロナ旅行について質問した際にスポンサーのツアーパッケージへのリンクが表示されることなどが検討されています。OpenAI は ChatGPT の基本モデルには手を加えず、商用目的を判断する専用の AI システムを別途配置する方針を示しています。

社内のスケジュールによると、2026年にパイロット版を開始し、まず米国での英語による質問から始めて、その後 Pro、Team、Enterprise の各プランに順次展開される予定です。業界の専門家は、適切に実施されれば広告収益は2027年までに10億ドル(約1500億円)に到達する可能性があると予測しています。