OpenAI が Broadcom と提携し独自 AI チップの量産を 2025 年から開始

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Financial Times(FT)の報道によると、OpenAI は 2026 年から Broadcom と提携し、独自設計の AI チップの量産を本格的に開始すると報じられています。これは Google や Amazon などの先進企業と同様に、 NVIDIA への依存度を下げる戦略の一環として注目を集めています。

提携の詳細と計画

報道によると、 OpenAI は Broadcom と共同で自社向け AI チップを開発・量産する計画で、 2025 年に設計・試作を行い、2026 年にかけて出荷が開始される見込みです。この AI チップは OpenAI の内部利用が目的で、市場販売は予定されていません。

Broadcom の CEO は、 10 億ドル(約 1471 億円)超の注文を受けていることを発表しており、業界内では OpenAI がその注文主とされています。チップの製造は台湾の TSMC ( Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. )に委託される見通しです。

業界への影響と背景

この動きは、 AI インフラの性能最適化、安定した供給体制の確立、コスト削減を目指した戦略的な取り組みです。 OpenAI の Sam Altman CEO は「 2025 年末までに 100 万 GPU を導入する」と発言しており、膨大な計算資源の確保を最優先に掲げています。

NVIDIA GPU への強い依存からの脱却が目標とされており、急拡大する AI モデルの推論需要( ChatGPT や GPT-5 など)に対応するため計算資源の多様化を進めています。報道直後、 Broadcom の株価は急騰し、企業価値が 1.7 兆ドル(約 250 兆円)超に拡大したと報じられています。

AI チップ戦争の新段階

この取り組みは、 AI ブームによる計算パワーの爆発的需要に対応した「チップ戦争」の一環といえます。 Google の TPU 、 Amazon の Trainium / Inferentia 、 Meta の MTIA など、テック大手各社が NVIDIA の独占的な地位( AI チップ市場の 80% 以上)を崩すために自社チップ開発を推進しています。

OpenAI の場合、専用 AI チップの量産により社内向け AI 基盤の大規模強化が進み、業界競争や供給全体に影響を与える可能性が大きいとされています。チップの性能向上により、将来的に ChatGPT などのサービスのコストが下がることも期待されています。