米メディアThe Informationによると、OpenAIの年間収益が過去半年ほどで34億ドル(約5350億円)に倍増したことが明らかになりました。この急速な成長は、企業や個人が仕事や日常生活にOpenAIのチャットボットを取り入れる速さを反映していると言えるでしょう。
OpenAIの収益のほとんど(約95%)は、ChatGPTの有料サブスクリプションと、APIを通じたモデルの利用料から得られているそうです。一方、MicrosoftがAzureの顧客に販売したものから得られる収益は、OpenAIの収益のごく一部に過ぎないとのこと。このことが、最近OpenAIがMicrosoftから徐々に距離を置き、独自色を強めているように見える理由の1つかもしれません。
今後、OpenAIは現行のチャットボットだけでなく、検索エンジン、ビデオ生成モデル、オンデバイスのソフトウェアなど、一連の新製品を展開していく予定で、これが収益をさらに押し上げると期待されています。また先日発表されたAppleとの提携により、有料ユーザー数が来年にかけて飛躍的に増える可能性も見えています。
OpenAIの収益増加は、他のライバル企業を大きく上回っています。例えばAnthropicは昨秋、年間収益が1億ドル(約157億円)で、2024年末までに年間8億5000万ドル(約1340億円)に達する計画とのこと。またカナダのOpenAIのライバルであるCohereの年間収益は、4月時点でわずか2200万ドル(約35億円)だったようです。
今後GPT-5の計画もあることから、AI業界におけるOpenAIの独走状態は今後さらに強まっていくと予想されます。