OpenAI が競合他社である Anthropic が開発した「 Model Context Protocol ( MCP )」を採用し、ChatGPT などの製品に統合することを発表しました。この統合により、ChatGPT が外部データソースや外部のビジネスアプリケーションと双方向で連携できるようになります。
MCP は AI モデルと外部システム間の通信を標準化するオープンソースプロトコルです。単なるデータ取得だけでなく、外部システムでコマンドを実行する双方向のやり取りも可能になります。技術的には JSON-RPC バッチ処理による複数リクエストの効率的な一括処理や、OAuth 2.1 を採用した堅牢なセキュリティ仕様を備えています。
企業での具体的な活用例としては、たとえば小売業では、自社の商品データベースと連携し、顧客に最適な商品を自動で提案する仕組みが挙げられます。マーケティング部門では、外部の広告分析ツールと連携して、 KPI の自動測定を実現できます。また IT 部門では、クラウド環境の設定作業を自動化することも可能です。これらの取り組みは従来、個別に開発する必要がありましたが、標準プロトコルを用いることで、AI と外部システムの連携が短期間で実装できるようになりました。
Sam Altman CEO が公表したロードマップでは、現在 MCP は開発者向けの「 Agents SDK 」に先行導入されており、今年第 2 四半期には ChatGPT デスクトップアプリに、年内には API サービスにも展開される予定です。将来的には主要クラウドサービスとの連携も視野に入れています。
Microsoft もすでに開発者向けツール「 Playwright MCP 」を公開しており、Web サイト操作の自動化が可能になりました。こうした MCP を導入する動きは、AI 業界全体に波及しつつあります。
開発者からは「従来数日かかったシステム連携が 1 時間未満で完了する」との評価があり、企業の IT 部門の生産性向上に寄与すると期待されています。一方で、これまで各社が独自仕様で構築してきた AI サービスの標準化が進むことで、不要になってしまうサービスも考えられ、一部では業界再編の動きも指摘されています。