OpenAIが、リアルタイム検索とデータ分析ツールを開発するRocksetを買収しました。買収額は明かされていませんが、OpenAIはRocksetの技術を自社製品に組み込み、企業が自社データをより効果的に活用できるようにすることを目指しています。これは、ニューヨークのスタートアップGlobal Illuminationの買収に続く、OpenAIにとって2度目の公表された買収案件です。
Rocksetは、データベースやパブリッククラウドから自動的にデータを取り込み、検索や分析アプリケーション用に整理するツールを提供しています。同社のプラットフォームは、レコメンデーションエンジン、物流追跡ダッシュボード、金融テクノロジーやネット通販分野のチャットボットなどに利用されています。
OpenAIは、Rocksetの技術を活かして、企業が自社データをより効果的に活用できるツールを開発する可能性があります。この買収により、OpenAIのAI製品におけるデータ処理と分析能力が強化され、AIモデルの精度と応答速度の向上が期待されています。
Rocksetの買収は、OpenAIが最近力を入れている企業向けの販売の拡大、および技術をもつ企業への大規模投資戦略と一致しています。OpenAIは5月にPwCと販売契約を結び、その前月には企業向けモデルのカスタマイズとコンサルティングサービスを始めました。これらの取り組みは着実に成果を上げており、OpenAIの年間収益は今年34億ドル(約5500億円)を超える見込みです。
この買収により、OpenAIはGoogleやAnthropicなどのライバル企業に対してさらに優位に立つことになりました。Rocksetの既存顧客は段階的にOpenAIのプラットフォームに移行される予定で、OpenAIの顧客基盤が拡大し、収益面でもさらに強化されていくと見られています。