NVIDIAがGTC 2024で次世代GPUアーキテクチャ「Blackwell」を発表

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NVIDIAは、年次開発者会議「GTC 2024」において、次世代GPUアーキテクチャ「Blackwell」を発表しました。Blackwellは、その性能の高さゆえ、生成AIの分野に革新をもたらすことが期待されています。

Blackwellの中核をなすのは、「世界で最も強力なチップ」と称されるB200 GPUです。このGPUは2080億のトランジスタを搭載し、前世代のH100 GPUと比較して30倍の性能を発揮しながら、消費エネルギーは25分の1に抑えられています。

また、Blackwellアーキテクチャには、第2世代Transformer Engine、第5世代NVLink、RASエンジン、機密コンピューティング、そして専用の解凍エンジンなど、6つの新しい技術が採用されています。これらの技術により、大規模な生成AIモデルのトレーニングが高速化され、最大10兆のパラメータを持つモデルの処理が可能になるとのことです。

NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、「GPT-4は1.8兆のパラメータを含んでおり、2000個のBlackwellチップを使用すれば、わずか90日でモデルのトレーニングを完了できる」と述べ、Blackwellの驚異的な性能を強調しました。たった1年ほど前のGPT-4の開発には相当な時間とコストがかかったと言われていますが、それがわずか90日で完了してしまうということであれば、この分野における日々の技術進化は本当に「驚異的」という他ありません。

Blackwellは、AmazonやGoogle、Microsoft、OpenAIなど、大手テック企業や主要なクラウドプロバイダーから支持を得ており、今後のAI分野の発展を加速させることが期待されています。また、ヘルスケアや工学設計、ロボティクスなど、様々な業界でBlackwellの活用が進むと予想されます。

NVIDIAは、Blackwellベースの製品を今年後半から提供開始する予定です。Blackwellの登場により、既存のAIプレーヤーだけでなく、より多くの企業が自社で生成AIを導入することができるようになり、あらゆる規模の組織がその恩恵を受けられるようになるでしょう。また、科学的発見のスピードアップや、業界の再編が起こる可能性があるなど、Blackwell、ひいてはNVIDIAが社会に与えるインパクトは計り知れません。この開発スピードがいつまで維持されるのか、今後も動向を見守りたいと思います。

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