NVIDIA、最新のAIベンチマークで圧倒的優位を示す

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NVIDIAは、最新のAIベンチマークで再び卓越した性能を示し、AI半導体の分野での独占的地位をさらに強化しています。同社の最新GPU「Hopper(H100・H200)」は競合他社の製品を大きく上回る性能を発揮しています。加えて先日のGTCでは次世代の「Blackwell(GB200)」も発表されています。

興味深いことに、AMDをはじめとする主要なライバル企業は、最新のMLPerfベンチマークへの結果提出を見送りました。Intelは結果提出を行い、自社の「Gaudi2」と第5世代Xeonプロセッサを、(性能では大幅に負けているものの)NVIDIAに対するコスト効率の高い代替案としてアピールしています。

アナリストらはNVIDIAの優位性が当面揺るがないと予測しています。Gartnerのアナリスト、Chirag Dekate氏は、「ソフトウェアがNVIDIAの戦略的な強みであり続けている」と述べ、同社のCUDAプラットフォームが業界での注目度と採用率の高さを支える要因だと指摘しました。

NVIDIAは2023年のデータセンター向けGPU市場で(一部の予想で)98%という圧倒的なシェアを獲得し、同部門の売上高は372億ドル(約5.6兆円)に達しました。またそれが2024年には457億ドル(約6.9兆円)に拡大すると予測されています。一方、AMDのデータセンター向け売上高は、2023年の65億ドル(約9800億円)から2024年には新しいチップの導入で大きく伸びる見通しですが、NVIDIAに肉薄するにはまだ遠い道のりがあります。

NVIDIA以外のマグニフィセント7各社はNVIDIAの独占状態に抵抗するべく自社でチップの開発を行ったり、先日も取り上げたような共通ソフトウェアの開発に乗り出したり、色々な施策を打っていますが、圧倒的な性能差とソフトウェアによる「Moat(堀)」により、しばらくはNVIDIA一強の状況が続くようにみられます。