NVIDIA の CEO である Jensen Huang 氏が10月28日、ワシントン D.C. で開催された GTC において、同社の Blackwell および次世代 Rubin チップから2026年末までに 5000 億ドル(約75兆円)の受注を獲得したと発表しました。この発表を受けて NVIDIA の株価は3%以上上昇し、同社は史上初めて時価総額 5 兆ドル(約750兆円)を突破した企業となりました。
Huang 氏は「技術企業として史上初めて 5000 億ドルの収益を見通せる会社になった」と述べ、約2000万台の GPU 販売に相当する規模であることを強調しました。ただし後に財務チームが訂正を発表し、5000 億ドルは2025-2026年の累積出荷額で、30%はすでに出荷済み(1000 億ドル相当)であり、残り5四半期で 3070 億ドル(約46兆円)の収益見込みであることが明らかになりました。
同イベントでは新たなパートナーシップも発表されました。Nokia に対する 10 億ドル(約1500億円)の投資により、6G 対応の AI-native 無線スタック「NVIDIA ARC」を開発。米国エネルギー省とは7基の新 AI スーパーコンピューターを建設し、最大システムには10万台の Blackwell AI チップを搭載します。Uber との協力では2027年開始で世界規模の自動運転タクシー10万台の展開を予定しています。
技術面では、次世代 Vera Rubin スーパーチップを初公開しました。天体物理学者 Vera Rubin にちなんで命名されたこのチップは、TSMC 3nm プロセスで製造され、FP4 で最大50 PFLOPS の性能を実現します。2025年後半に量産開始、2026年初頭に販売開始予定です。さらに2027年後半には Rubin Ultra を投入し、100 PFLOPS と 1TB の HBM4e メモリを搭載する予定です。
製造面では、従来台湾のみで行われていた Blackwell GPU の完全生産がアリゾナ州でも開始されたと発表されました。過去4四半期で600万台の Blackwell GPU を出荷しており、AI 半導体市場での同社の独占的地位がさらに強化されています。
