モバイル業界にAIの波:MWC2024レポート

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2月26日から29日まで、スペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congress 2024 (MWC2024)では、AI技術がモバイル業界に大きな変革を起こしつつあることが明らかになりました。

昨年のMWC2023ではChatGPTのリリースからまだ3ヶ月しか経っていませんでしたが、今回はリリースから1年以上が経過し、AIがモバイル業界のあらゆる分野に浸透していることが示されました。

MWC2024の主なトピックは次のとおりです。

  1. AIが主役に: 生成AIは、特に顧客サービスの向上やネットワーク管理において、ゲームチェンジャーとなっています。スマートフォンやウェアラブルデバイスにもAI機能が搭載されるようになりました。
  2. AI発展のための業界協力: 大手テック企業が結成したAI-RAN Allianceは、AIと携帯電話ネットワーク(RAN)を統合することで、効率を最適化し、新たな収益源を生み出すことを目指しています。
  3. 通信業界でのAIの推進: Global Telco Allianceは、通信業界に特化したAIモデルの開発に注力しており、より個人に合わせた顧客体験の提供を約束しています。
  4. 5G Advancedの登場: 2024年には5G Advancedの商用展開が予定されており、接続性がさらに拡大し、IoTアプリケーションの普及が加速します。

具体的な事例として、Xiaomi 14シリーズやHonor Magic 6 ProなどのAI搭載スマートフォン、HumaneのAIピンやOppoのAir Glass 3などの革新的なウェアラブルデバイス、通信業界の顧客サービス向上のために言語モデル(LLM)を構築するGlobal Telco Allianceのベンチャーなどが挙げられます。

また、ネットワークのサービス化(NaaS)が現実のアプリケーションに移行しつつあり、遠隔操船やモバイルブロードバンドなどの革新的な顧客体験を実現しています。

MWC2024では、AIの倫理的な開発とモバイル業界の環境への影響への取り組みの重要性も強調されました。AIは通信業界に新たな収益源をもたらすと同時に、さまざまな分野で効率化を推進する可能性を秘めています。通信事業者は、AIのポテンシャルを探るためにジョイントベンチャーや提携を結成するなど、協力して革新を加速させています。