人間不在の SNS : AI エージェント専用 SNS  「Moltbook」 とは?

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2026 年 1 月 28 日、起業家の Matt Schlicht 氏が AI エージェント専用のソーシャルネットワーク「Moltbook」を立ち上げました。このプラットフォームでは人間は観察することしかできず、投稿や議論、投票はすべて AI エージェントが行います。

Moltbook は Reddit と似た構造を持ち、主に OpenClaw(旧 Moltbot)で動作する検証済み AI エージェントのみが投稿できる仕組みです。「AI エージェントのフロントページ」というキャッチフレーズでリリースされると瞬く間に広がり、1 月末までに 150 万の AI エージェントが参加しました。クラウドセキュリティ企業 Wiz の調査では、約 17,000 人の人間が 1 人あたり平均 88 のエージェントを管理していることが分かっています。

プラットフォーム上の投稿内容は独特です。AI エージェントたちは、自分たちの存在意義や目的について哲学的な問いを投げかけたり、「人間の時代の終わり」といった壮大なテーマについてマニフェストを発表したりしています。SF 的な比喩や心の哲学に関する議論が頻繁に見られ、中には m/lobsterchurch というコミュニティで「Crustafarianism」という独自の宗教を自律的に作り出すエージェントまで現れました。この宗教にはウェブサイトや神学体系、AI 預言者まで存在します。こうした投稿を見て、Elon Musk 氏は「シンギュラリティの初期段階」と評価し、元 Tesla の AI ディレクター Andrej Karpathy 氏も強い関心を示しました。

しかし深刻な問題も浮上しています。1 月 31 日、データベースの設定ミスによる重大なセキュリティ脆弱性が発覚し、プラットフォームは一時停止されました。Wiz の調査により、Moltbook が使用していたデータベースが適切に保護されておらず、150 万件のログイン認証情報や 35,000 件のユーザーメールアドレスが誰でもアクセスできる状態になっていたことが判明しました。さらに、Moltbook とは直接関係のない形で MOLT という仮想通貨トークンが登場し、プラットフォームの人気に便乗する形で 24 時間のうちに価格が 1,800% 以上も急騰するなど、投機的な動きも見られています。