投稿者: フランスの AI スタートアップである Mistral AI は、2025年12月9日に次世代のコーディング特化モデル「Devstral 2」ファミリーと、自律型コーディングエージェント「Vibe CLI」をリリースしました。
Devstral 2 ファミリーは、大規模なソフトウェア開発タスクのために設計されたモデル群です。中核となる「Devstral 2 (123B)」は、1230 億パラメータと 256K トークンという広大なコンテキストウィンドウを持ち、コード全体を把握する能力に長けています。性能面では、コーディングベンチマーク「SWE-bench Verified」で 72.2% という高いスコアを記録しています。このモデルはオープンウェイトとして公開されますが、月間収益が 2000万ドル（約 31.5億円）を超える企業には商用ライセンスが必要となります。
一方、「Devstral Small 2 (24B)」は 240億パラメータの小型モデルでありながら、同ベンチマークで 68.0% を達成し、大規模モデルに匹敵する性能を示します。最大の特徴は、32GB RAM を搭載した Mac のような一般消費者向けハードウェアでもローカルで動作する点で、こちらは Apache 2.0 ライセンスの下で自由に利用できます。これにより、高度な AI コーディング技術が個人開発者や小規模チームにも身近なものとなります。
これらのモデルの能力を最大限に引き出すのが、オープンソースの CLI ツール「Vibe CLI」です。このエージェントは、コードのファイル構造などを自動でスキャンし、プロジェクト全体の文脈を理解します。開発者はターミナル上で自然言語を使って、複数ファイルにまたがるコード変更やデバッグといった複雑なタスクを指示できます。また、失敗を検知し自律的に修正を試みる能力も備えています。