中国 MiniMax が新 AI モデル M2 を発表、オープンソースで世界最高位の性能を実現

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中国の AI 企業 MiniMax は 10 月 27 日、新たな AI モデル「M2」を発表しました。同モデルは Artificial Analysis 社の総合知能指数でオープンソースモデルとして世界 1 位を獲得し、全体でもトップ 5 入りを果たしています。

M2 は総パラメータ数 230 億個の Mixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャを採用していますが、推論時には 100 億パラメータのみを活性化する設計となっています。この効率的な構造により、DeepSeek V3.2 の 370 億活性パラメータに対し、M2 は 100 億のみで同等以上の性能を実現しています。

コンテキスト長は 204,800 トークンに対応し、最大 131,072 トークンの出力が可能です。処理速度は最大 100 トークン/秒を達成しており、高速な応答を提供します。

性能面では、Google DeepMind の Gemini 2.5 Pro を上回り、OpenAI、Anthropic、xAI の主要モデルに次ぐ位置付けとなっています。特にコーディング分野では SWE-Bench Verified で 69.4% のスコアを記録し、GPT-5 の 74.9% に迫る水準を示しています。

経済性でも優位性を発揮しており、Claude Sonnet の 8% のコストで 2 倍の速度を実現しています。API 料金は入力トークン 100 万件あたり 0.30 ドル(約 450 円)、出力トークン 100 万件あたり 1.20 ドル(約 1,800 円)で提供されます。

MiniMax は 2021 年 12 月に SenseTime の元従業員により設立され、2024 年の資金調達ラウンドで評価額約 30 億ドル(約 4,500 億円)に到達しています。同社は現在、香港での新規株式公開を検討中とされています。

M2 は MIT ライセンスで提供され、Hugging Face、GitHub、ModelScope で入手可能です。期間限定で無料利用も可能となっており、開発者にとってアクセスしやすい環境が整えられています。